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- 試みの高低線―嵐のハードボイルド人生相談―
先告知後告知戦争
担当編集メガネ(以下、メガネ)「9月2度目の3連休に突入ですが、皆さまはいかが過ごされるご予定でしょうか。僕はとりあえず新台のアレックスを打ちに行って、取れなかったら別のノーマルタイプを打ってまったり過ごしたいと思っております。そして、このコラムが皆さんの3連休の合間の暇つぶしの一助になれば幸いでございます。それでは粗方先生、今週もよろしくお願いいたします」
■PN『肉まん』さんからのご相談
先生初めまして。僕は彼女と一緒にパチスロを打ちに行くのが夢です。でも彼女はパチスロが好きではないので、どんなアプローチをしても取りつくしまもありません。
嘘でもいいので、うまいこと彼女をパチスロ店に連れ出す誘い文句はないでしょうか。
■粗方先生のお答え
嗜好からのアプローチはしてみたか? 例えば、お前の女がアニメを好きで、好きな作品をリサーチしてその作品がタイアップ機で登場しているようなら、その話題を上手く振って興味を持ってもらうとか。
例えば、AKBやMJなど、好きなアーティストのタイアップ機が出ているのなら、同じように興味を持ってもらえるように上手く誘導するとか。
いまはパチスロのコンテンツも実に多様化している時代だ。それを活かして誘い込む手が良策に思える。
仮に、現状では彼女が興味を持ちそうな作品がないのであれば、逆に興味を持ちそうな原作を見繕って一緒に観て、首尾よくその作品に興味を持ったようならそこでパチスロを打ちに行くことを提案してみるのもいいだろう。
・新世紀エヴァンゲリオン
・バジリスク甲賀忍法帖
・魔法少女まどか☆マギカ
・<物語>シリーズ
・弱虫ペダル
この辺りは、飲み屋の嬢たちとの間でもよく話題に上がる作品だから、とりわけ女に好まれる作風なのかもしれない。アニメを好まない女もいるから、大前提としてアニメを観る素地があるかどうか…も重要にはなってくるが、もし素地があるなら、それらの作品を一緒に観て、まずは女の気持ちを盛り上げるように努力をしてみろ。
何事も順序は必要だからな。女を抱くときも、まずは熱いヴェーゼから始めるだろう? いきなり本丸に攻め込もうとするなんて、野暮の極み以外の何物でもない。
だから小僧、とりあえず女と一緒にイキたいのであれば、まずはゼンギに励め。
あらゆる手を尽くし、少しでも彼女をその気にさせてから、改めて誘ってみろ。
■PN『パンダ』さんからのご相談
僕の家の近くには優良店とぼったくり店があり、どちらにも1人ずつ黒人の店員さんがいます。
普通に考えたら優良店に行くべきですが、ぼったくり店の黒人の店員さんの愛想がよすぎるので、ついそっちに行っていつも負けてしまいます。優良店の黒人の店員さんは冷たいので行きたくないです。
このままでは貯金が尽きてしまうのですが、この店で勝つ方法はないでしょうか。
■粗方先生のお答え
店員のサービスも店の良し悪しの1つだからな。お前が店員の愛想を指標として行きたい・行きたくないを判断しているのであれば、前者がぼったくり店であり、後者が優良店である…とも言えるだろう。それくらい、店の良し悪しの判断基準は人それぞれで違ううえに曖昧なものだ。
そして、勝ちやすさもそれと同じように、人それぞれでガラッと変わる。たとえ高設定が大量に投入されていても、朝イチから打ちに行けない打ち手にとっては途端に不毛の大地に変わる。後発でその大地に飛び込んでも、そこは他の打ち手に粗方刈りつくされたあとで、ぺんぺん草の1本も生え残っていないことが多いからな。逆にベタピンのホールでも、立ち回り次第では実り多き緑の大地へと変わる。
そして、お前の通っているホールは後者に近いようだが、そこで重要になってくるのが「設定変更状況」だ。設定変更をあまり行なわないガチのベタピンホールなら、過去のデータ履歴を慎重に精査しつつ、宵越し天井狙い1本に絞って投資リスクをできるだけ排除しながら、細かい期待値を拾いまくれ。
もちろん、出玉的なぼったくり店は徹底して宵越し天井を拾わせないような設定変更を敢行してくることもあるから、口で言うほど簡単な立ち回りにはならないかもしれない。だが、その場合は設定変更を仕掛けてくるタイミングが読みやすくなるから、それを逆手に取って、設定変更の恩恵が大きめな台だけを狙い打つことも決して不可能ではない。
最近の機種であれば『凱旋』や『獣王~王者の覚醒』、『SLOT魔法少女まどか☆マギカ2』など天井が短縮されるタイプや、 『番長3』や『沖ドキ』『パチスロモンスターハンター月下雷鳴』などの早い初当たりが期待できるタイプなど、変更恩恵がある機種はまだまだ健在だからな。そういった機種知識を頭に叩き込んで、ケースバイケースで狙い分ければ、いわゆるぼったくり店でもそれなりに戦いようはあるハズだ。
だから小僧、お前が気に入った店員のホールで戦い続けたいのであれば、状況を逆手に取る方法を諦めずとことん考えてみろ。
どんなに厳しい状況でも、どこかに必ず勝ち筋はあるハズだ。それを探せ。お前の愛する店員と過ごす日常を守るために。
■PN『ぺロペロ万華鏡』さんからのご相談
粗方先生こんにちは。先日、息子と先告知か後告知かで喧嘩になり、息子が家を飛び出してしまいました。今は祖父母(私の両親)の家にいるようです。
息子は先告知派で、後告知が好きな私は後告知派です。息子は後告知が好きな奴は生きている価値がないと言いますが、私は先告知を好きになって出ていった息子と楽しく話をしたいです。
ただ、先告知の台はボーナスを否定されたゲームはどういう気持ちでリールを止めたらいいのかわかりません。これさえ解決したら先告知も好きになれると思うのですが、先生はご存じですか?
■粗方先生のお答え
ボーナスはたしかにパチスロの花形であり、不動の4番打者、主役だ。
だが、パチスロの楽しみはボーナスを引くことだけではないだろう? 成立した小役をしっかりと揃え、目押しというスキルでその台の持つ出玉性能を最大限に引き出すことも、パチスロにあってパチンコにはない、固有の楽しみである…と俺は考えている。
だから俺は、先告知系のマシンを打っていても、通常時の退屈感に苛まれることは全くない。なぜなら、スイカの取りこぼしを防ぐことに夢中になっているからな。
先告知系のマシンは、レバーON時の演出がほとんど発生しない機種が少なくない。だからこそ、スイカの成立を察知できるか否かは、己の集中力次第…ということになる。この緊張感こそが先告知系マシンの秘めたるゲーム性の魅力であり、そのうえでスイカをしっかりと獲得できているときの湧き上がる達成感は、なかなかに病みつきになるものだ。
そして、その緊張の連続のなかで不意に訪れる圧倒的緩和=チカリ。この精神的メリハリこそが、先告知系マシンに共通した醍醐味である…と俺は思う。
だから小僧、とりあえずお前もそのことを意識して、改めて先告知系マシンと向き合ってみろ。
もしかしたら、息子がハマった理由が分かるかもしれないぞ。
…それにしても、告知タイミングが発端となった喧嘩で家を飛び出すなんて、お前の息子も相当に好きモノだな。ということは「似た者親子」なのだから、歩み寄ることは決して難しくないだろう。とりあえず、早く仲直りしてまた一緒に打ちに行ってこい。
メガネ「スイカを取ることが楽しい…というのは俺も分かるわ」
嵐「ですよね。ハナハナや沖ドキとかで、スイカを完璧に取れている時の達成感は、ちょっと他の機種では味わえない充足感がありますよね」
メガネ「せやね。そのうえで、たま~にそのスイカがハズれてハナハナ目やリーチ目が止まった時の衝撃たるや…」
嵐「最高ですな! …う~ん、なんかこうやって話していたら無性に先告知系マシンが打ちたくなってきましたねぇ」
メガネ「分かるわ~。…でも、ここで打ちに行ってもうたらアップが間に合わんかも…」
嵐「なんくるないさ~」
メガネ「せやな~」