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中の人の葛藤
※実戦部分はノンフィクションですが、それ以外はフィクションです
やあやあ、みんな元気かね? 毎週火曜のお楽しみ…かどうかは分からないが、いつものように田母神コラムの更新日がやってきたぞ。また今週もオッサンの戯言にお付き合い願いたい。
先週の日曜日、家族と近所のショッピングモールへ買い物に出かけたときのこと。それぞれ目的の場所がある妻・子どもと別れ、私は1人で2階のテナントをブラブラ眺めていた。すると、遠くのほうに人だかりを発見。どこかの店のタイムセールか、それとも何らかの事件か…などと考えつつ、野次馬根性丸出しで近づいてみると、キッズとそのママたちに囲まれている白い物体が見えた。
その白い奴の正体は、某携帯会社のキャラクター(の着ぐるみ)。PPAPと共演している不機嫌そうな猫と言えば分かるだろうか。
その猫は子どもたちにベタベタと触られ、悪ガキから軽めのパンチを受け、母親から子どもとの2ショット写真をせがまれ…と、とても大変そうだった。当然、猫の表情は一切変わらなかったが、心の中(というか中の人)は「めんどくせぇなぁ」とか「どうすりゃいいんだ」という気持ちだったと推察される。きっとそうに違いない。
何を隠そう(隠していたわけではないが)、実は私も「中の人」を経験したことがあるので、その気持ちが少なからず分かるのだ。また昔話で申し訳ないが、今回はその話をしたい。
あれは大学2年の夏休み。親の仕送りをせっせとパチ屋に貢ぎ、常に貧しい生活を強いられていた私は、短期バイトで稼ごうと考えていた。コンビニで毎日のように求人誌を立ち読みしては、どれが良いかなぁと思案していたある日、田舎の友人から連絡が入った。
「地元で雑貨店が集まるイベントをやるらしくて、知り合いの店が着ぐるみのバイトを募集してるんだけど、一緒にやらない?」
実家に滞在しながらバイトをすれば生活費も浮くし、稼いだ金を気兼ねなくパチスロにぶっ込める! まさに渡りに船だと思った私は、「やる!」と即答して地元へ向かったのだった。
バイト当日。人目につかないテントの裏側へと通された私と友人は、「変身グッズ」とご対面。それは世間に浸透している有名なキャラではなく、大して可愛くもないライオン。これを1時間ごとに2人で交代しながら10~17時までイベント会場を回り、そのお店のブースに客を呼び込むというのがお役目だ。
責任者から説明を受けた私と友人は、互いに顔を見合わせた。仕事の内容自体は良いとして、問題はこのキャラ。誰も知らない変なライオンを見たところで、お客さんの反応は高が知れている。これはきっとヒマなバイトになるに違いない…。
しかし、それは杞憂だった。小さな子どもには認知度なんぞ関係なく、とりあえず着ぐるみがいればワラワラと寄ってくる。当然、その際は引率者たる大人たちも一緒に近づいてくるわけで、その場はちょっとした成田空港のハリウッドスター状態である。この予想外の人気に私のテンションも上がった…のだが、一瞬にして気分は消沈した。
不機嫌な猫と同様、無名のライオン(=私)も子どもたちからベタベタと触られ、頭の悪そうな中学生グループからはパンチ&キックを見舞われる(そして逃亡)。鼻水を垂らした小学生の男児はソーッと私の背後に回り、背中のチャックを見つけて大喜びだ。さらに、純粋そうに見えた女子小学生からは「中の人、暑いですか?」と聞かれるし、その隣にいた女児は「時給いくらですか?」と半笑いだしと、なんかもうメチャクチャでうまく対応できなかった。
しかし、子どもはまだ可愛げがあるというか、仕方ない部分がある。本当にタチが悪い(私が困惑した)のは大人のほうだ。
「なんだ、あのライオン」「可愛いくないね」とわざわざ言いながら去っていく20代のカップル。「おっ、お前見たことあるぞ! 名前なんだっけ?」と絶対に見たこともないくせに中身の私に答えさせようとする30代男性。「孫を抱っこして写真撮って。…ちょっと、抱っこが下手くそじゃない!」と文句を言う60代のお婆さん…などなど。
そしてトドメは酔っ払いである。外に設けられた休憩スペースにドカっと座り、1人で生ビールを飲んでいたその男性は、明らかに堅気じゃなかった。少なくとも片足ぐらいはガチな組織に入り込んでいるハズだ。そんな怖そうな酔っ払いが、ライオン(私)を無言で手招いているではないか。断ると色々大変そうなので、仕方なく近づく。
「あんちゃん、座れよ」
…怖いので、指示に従う。
「バイトか?」
…無言で頷く。
「暑い中、大変だな」
…無言で会釈する。
「ビール買ってきてやるよ」
「…(えっ?)」
「ここで待ってろ」
「…(ええっ!?)」
堅気じゃない系男子は売店へと赴き、そして生ビールが入った紙コップを片手に戻ってきた。
「ほら、飲めよ」
…無言で首を振る。
「いいから、遠慮すんなって!」
…誰かに助けを求めるため、辺りを見回す。実はすぐ近くに友人(変身前)もいたのだが、見て見ぬフリを決めている。さっきまでいた子ども&大人たちも、なぜか半径5メートルから消えてしまった。クソッ!
「オレが手伝ってやるわ」
酔っぱらいはライオンの頭の部分をグッと持ち上げて、頸部から内臓(=私の口)が見えるように施した。
「よし、カンパーイ!」
周囲に人がいる中で、不自然な角度に頭を上げたまま、首のあたりへと生ビールを近づけるライオン…。それを遠巻きに見ていた子どもたちは、小さな悲鳴を上げた(ような気がした)。
今振り返っても、あれは「中の人」として一番やっちゃいけない行動だったと思う。しかし、まだ若かった私は断れなかったし、今でも無理かもしれない。今後、皆さんも着ぐるみに会う機会があると思われるが、どうか無茶な要求はせず、優しく接していただきたい。
ちなみに、その仕事を1週間やりきった私は、バイト代(約7万円)を握りしめてパチ屋へ向かった。そして案の定、サクッと1日で使い果たし、貧乏学生からの脱却は失敗に終わったのだった(我ながらホントにダメな学生だな…)。
40代ぐらいの同世代の皆さん。将来、息子さんが私のようにならないよう、しっかりと監視していただきたい(苦笑)。
●6/7
【ハナビ】
・総ゲーム数:2495G
・BIG:10回(1/249.5)
・REG:6回(1/415.8)
・合算:16回(1/155.9)
34_BIG(2000円)
326_BIG(8000円)
286_ヤメ
収支…-10000円
この日は、以前ハナビの高設定らしき台を拾った店を再訪した。そして、また結構良さげな台を拾ったのだが…終わってみれば大きな見せ場もなく撃沈である。あまりにもアッサリ終わってしまったことに腹が立ち、帰り際に車の中で「クソッ!」と大声を出してしまった。
●6/9
【マイジャグラー3】
・総ゲーム数:2533G
・BIG:15回(1/168.9)
・REG:8回(1/316.6)
・合算:23回(1/110.1)
69_REG(2000円)
8_BIG
20_REG
424_BIG(3000円)
172_BIG
137_BIG
95_REG
56_REG
73_BIG
101_ヤメ
収支…+7200円
先週からの連敗を止めるべく、ジャグラーシリーズに力を入れているホールへ出向き、ボーナス合算出現率が設定6を上回っているマイジャグで勝負開始。序盤はやや苦しんだものの、終盤にBIGとREGが計4連してくれたお陰で勝ち逃げできた。私の地元で手堅く勝負するには、やはりジャグラーを無視するわけにはいかないな~。
総収支…+10500円
先週に比べて総収支は減ってしまったが、まだプラス域は確保している。このアドバンテージを消さぬよう、また来週も頑張りたい。確率のついている台をなんとなく打ってるだけでも勝てそうだな~という感覚はつかめてきたように思う。