男のウソと女の勘
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※実戦部分はノンフィクションですが、それ以外はフィクションです


やあやあ、みんな元気かね? 1週間は早いもので、また田母神コラムの更新日がやってきたぞ。この日を待っている奴が何人いるかは分からないが、たとえ0人であろうと、65536人であろうと、今週も気負わずにゆる~い雑感を綴っていこうと思う。

さて、皆さんご存じの通り、先週は眞子さまご婚約のニュースが大きく報道された。お相手も素晴らしい好青年なようで、まさにお似合いのカップル。日本中が祝福ムードに包まれ、私も妻とともに「良かったねぇ」とホッコリした次第。

…と同時に、こういった話題があると自分の時はどうだったかというのが夫婦同士でフラッシュバックしたりするもので、結果的に今の生活がそれなりに満足いくものであれば、昔はあーだったこーだったなとど言いながらも馬鹿話にできるのだが、後悔が深いと…黙り込んでしまうかもしれない。

そういう意味では、私の家庭も色んな問題を抱えながらもなんとかやっていけているので幸せだと言えるが、もしかしたら妻と破綻していたかもしれないんだな…とふと考え込んでしまった。それは、自分自身の「あの頃」の思い出が脳裏に浮かんだから。


私が妻と出会ったのは今から約18年前で、結婚して約14年になる。今では2人ともおっさん、おばちゃんとなり、良くも悪くも「弛緩しきった関係」なのだが、付き合ってしばらくは当然、初々しかった。会話する、食事する、手をつなぐ、キスする、ホテルへ(以下略)…と、関係を深める一連の過程では、お互い人並みにドキドキしたものだ。

ただ、大事に思えば思うほど失いたくないわけで、どうにかして2人の関係を円滑に進めたいと思っていた。だから…自分の印象を良くしようと、当時の私は様々なウソをついてしまった。

たとえば、平日のデートでの話。2人とも社会人なので、土日以外で会えるタイミングは夜に限られる。もちろん、私はその貴重な時間を楽しみにしていたのだが…なぜだろう、ちょっとでも時間があると、秘孔を突かれたアミバのように、足が勝手にパチ屋へ向かってしまう。

あの頃はAT機・ストック機が盛り上がっていた時代で、私もかなり熱中していたのだが、勝っていようが負けていようがヤメられない状況になることが多い。となると、必然的に遅刻の機会も多くなるわけで、その際は必死にウソで塗り固めていた。

「遅れてゴメン! 急に残業頼まれちゃって…」

「そうなんだ…大変だね。そんな時にゴメンね」

「いやいや、いいんだって、全然(汗)。ホント、急なんだよなー、ハハハ」

「…ん? なんかタバコ臭い? あれ、吸わないよね?」

「…え? ホント?」

私はタバコを吸わないのだが、パチ屋に入り浸りすぎているせいか全く気にならないし、自分がタバコ臭いとも感じない。しかし彼女はどちらかというと嫌煙家で、タバコの臭いにはすこぶる敏感である。

「い、いや、ほら? うちの会社って禁煙じゃないからさ。みんなバンバン、デスクで吸うのよ」

背中にツーっと冷汗が垂れる。ちなみに、当時は今ほど禁煙は進んでいなかったが、自分の会社は既に完全禁煙だった。

彼女は別の臭いまで嗅ぎつけたのかもしれないが、ここで正直に「スロットを打っていました…」などと告白するわけにはいかない。だって、本当のことを言ったら彼女はドン引き、下手するとお別れだもの。だから私は必死になって、ウソをついた。本当にダメ人間である。


ウソは平日だけに留まらない。朝から晩まで打てる週末は非常に貴重だし、ましてや勝ちの見えるイベント日などはデートよりも価値が高い…と当時は思っていた。となると、「今週はちょっと仕事があるから」と嘘をついてはパチ屋へ繰り出すことになる。

付き合い始めは彼女も私の言葉を信じていたようだが、徐々に何かを感じ取るように…。特に、私が週末に大勝ちして、その数日後に会った際は、女の勘が鋭さを増していた。

「この前は都合がつかなくてゴメンね」

「ううん、別にいいよ」

「お詫びじゃないけど、今日はオレがご馳走するから」

「え? いいよ、そんなこと」

「大丈夫だって!」

「そう? じゃあお言葉に甘えて」

「じゃあ飯食ったら、ちょっと買い物でも行く?」

「…なんか、やけに羽振りよくない?」

「…(しまった!」

またもや背中にツーっと冷汗が垂れる。たしかに私の言動(羽振り)は普段と違ったかもしれない。だが、それを素直に受け入れても良さそうなものだ。それなのにビシっと指摘する彼女は、明らかに何かを疑っている。

私も苦しくなって、「ホントは…」と告白しそうになったが、それは破局へのトリガー。だから私は必死にウソをつき通した。本当にクソ野郎である。


それ以降も、私はパチスロにまつわるウソをつきまくり、無事に交際を続けていた。そんなある日のこと、パチ屋を経由してから彼女と合流したのだが、突然こんなことを言われた。

「今日は勝ったの?」

「…え?」

よくよく聞くと、彼女は付き合い始めた当初から、私のパチ屋通いを(薄々ながら)分かっていたらしい。しかし、特に反対することもないので、私のウソをスルーしていたそうだ。これまでの苦労は何だったのだろう…。今までの自分が恥ずかしい。

「今度からはちゃんと言ってね」

「は、はい」

「あと、私にお金と生活の管理をさせてね」

「…うん」

数週間後に私たちは同棲を始め、しばらくして婚姻届を出した。それ以降は、しっかり者の妻から貰う小遣いの範囲内で慎ましやかに、しかし堂々とパチ屋通いを楽しんでいる。


おそらく読者の中には、当時の私のように彼女や妻にウソをつき、パチ屋に通っている人もいるだろう。しかし、そのウソはすでにバレている可能性が高い。女性は意外と勘づいているものだ。

それでも何も言ってこないのは、「パチ屋に行ってもOK」or「ひとまず許容の範囲内」ということかもしれない。そう考えて、一度正直に告白してみては如何だろうか。

もちろん、どうなろうと私は責任を持たないけどね。



●5/18

【ジャグラーガールズ】
・総ゲーム数:3638G
・BIG:17回(1/214.0)
・REG:9回(1/404.2)
・合算:26回(1/139.9)


127_BIG(4000円)
11_BIG
76_REG
104_ヤメ


収支…+4400円

今週は仕事が忙しく(これは本当だから!)、ほぼ稼働時間が取れなかった。そこで「苦しいときのジャグ頼み」である。以前も書いたが、ジャグラーシリーズは高設定らしき確率の台を拾える割合が高く、私のようなスタイルの(夜に数時間だけサクッと打つ)人間には最適な台と言える。

というわけで、この日も軽めの投資でジャグ連をゲットして、サッサとヤメ。バラエティに富んだ立ち回りを期待している読者には申し訳ないが、自分なりにガチの実戦をしているつもりなので、どうかご了承願いたい。


総収支…+3100円

やっとプラス域まで回復したが、これぐらいの額なら一瞬で消えてしまうので、油断は禁物。来週もコツコツと収支を増やせるよう、頑張っていきたい。