記憶に基づいて
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うらやましいですよね、一定の地位になっちゃった人って。どんなウソをついたって、間違ってましたと言えば済まされちゃうんですから。

記憶に基づいてとかおっしゃってますけど、そもそもが弁護士なんていう偉い仕事をしてるんだから、基づいた記憶が間違っていたら本業の仕事の信頼を失うんじゃないでしょうか? 余計なお世話なんでしょうけども。

ちなみにこのコラムも記憶に基づいたものをベースにしていますが、もし間違いがあったらスミマセンということで(笑)。


なんて余談はさておき、某学校法人が世間を騒がせる中、何が真実なのかは知る由もないですが、政治家の暗躍的なアレコレはパチンコ業界も似たようなもの。筆者が一介の善良な一般ファンではなく、ちょっと業界に足を突っ込んだ25年くらい前には、誰も望んでいないプリペイドカード構想というものがありまして、これはまさにそういった構図だったんです。

脱税が多い業界を健全化するために、せめて入ってくる金だけでもクリアにしようというのがそもそもの議論の入り口。確かにそれは大事なことだったと思いますが、今もなお脱税ランキングの上位なのは変わらないわけですし、結果論ではありますが、あの騒動は一体なんだったのかと考えさせられます。

しかもその裏で何が起こっていたかということです。要はプリペイドカードという「システムを売る側」にとっては一大ビジネスチャンスということで、目的は立派に見えるものの、利権構造丸出しだったんですね。


ちなみに、最初に立ち上がったカード会社は財閥系企業、そしてシステム開発の中心になったのは最大手の通信関連企業と、錚々たる企業が名を連ねています。またこのプリペイドカード構想を主導したのは、現在は議員に成り上がった業界監督官庁の上級官僚で、さらにかねてから黒幕と呼ばれていた人も暗躍するなど。

ちなみに、その方が経営する企業がユニット製造や導入時の工事の中心にいまして、そういった流れで半ば自動的に金が集まる団体的なものを運営しています。つまりですね、脱税防止という異論を唱え難い部分に、正当な仕組みとして利権の構造を埋め込んでいったわけです。


ただ、ホールが自ら大枚を払ってまでわざわざ脱税できなくなるシステムを導入するかって話で、案の定、利用店は全然増えなかったんですよね。

しかし行政側も黙ってはいませんで、それに業を煮やし、当時主流だった連チャン機の強制撤去に乗り出したのです。…と同時に、プリペイドカードを導入するメリットとして、プリペイドカード専用の機械、それが即ち今に至るCR機なのですが、その対象機にのみ大当たりの確率変動機能(=確変)、すなわち合法的な連チャン機能を認めることにしたわけです。

これにて状況は一変し、プリペイドカード導入店が激増。ユニットの価格も高騰しましたし、導入工事まで数ヶ月待たされるなんていう事態にもなっていきます。仲良くしていた人も大忙しになって大儲けしていましたよ…(筆者はその人にたまにご馳走になるくらいでしたけど)。

ちなみに、CR機普及の第一波は以前に紹介したCR花満開なんですが、それについては当該記事を参照してください。もちろんCR機なので確変は搭載されていたのですが、『隠し機能』の方が問題となってこれも規制されていくことに…。


そこで登場したのが3回ループ機で、合法的連チャンと爆発力により人気を博すことになります。この大ヒットでさらにCR機の普及が進むことになるのですが、CRユニットを導入する予算がないホールは次第に淘汰されていきます。


さて、3回ループ機の代表格とも言えるのが、今回実戦した『CRバトルヒーローV』(1995年)。9種類ある図柄のうち3種類の7で当たればあと2回大当たりするまで確変が継続し、その途中で再度7で当たればそこからさらに2回の連チャンが約束されます。確変での平均連チャン数は4.75回と、大連チャンに発展することも珍しくありません。


他の代表的な3回ループ機として『黄門ちゃま』や『フィーバーワールド』といった機種があるのですが、これらも大ヒットとなり、さらに確変終了後に時短100回転まで付いてくる『大工の源』:さんの登場によって一大パチンコブームが巻き起こります。

個人的には、初当たりがだいたい1/400くらいという重さを嫌って、まだ残っていた連チャン機ばかり打っていましたけどね。特にバトルヒーローには設定があり、設定1の1/354や設定2の1/380ならまだしも、ほとんどのホールが間違いなくこれであろうという設定3は1/443。同じようなスペックの機械のなかでも格段に初当たりが重いかったため、ほとんど手を出すことはなかったですね。ちなみに、保3以上で発動する変動時間の短縮が強力だったので、プロみたいな人からも好まれていました。



今回の実戦では、いきなり激アツ必至の右スベリが発生したり(スーパー確定)、そこからあっさりと7が揃って確変に突入したりしましたが、見事なワンセット、大当たり3回で終了。10連や20連も期待できるかもしれないけど、こんなショボ連で終わることも多々あるんですよ。

この頃の話をすると大勝ち自慢になりがちですが、実際は今と大差なかったり。記憶に基づくだけではなく、ちゃんと当時の収支を記録したメモとか見ないとダメってことでしょう。なんてことを、某大臣にもよろしくお伝えください。かしこ。