名誉校長とか顧問とか、名前を貸すだけでお金が入ってくるような仕事、したいですよね。そこまでになるには何かを成し遂げる必要があるのかもしれませんけど、たまたま親族がいい感じになっちゃって上手いこといってくれないもんかな、と。
ま、某媒体でちょっとした仕事をした時に「そのペンネームはちょっと…」、なんて言われるようじゃいかんともしがたいですけども。
なんて余談はさておき、名前だけでぐっとくる機種ってありますよね? 過去の実績からタイトルだけでホールが大量導入を決めちゃったりするような機種がそうで、最近だと牙狼や北斗なんかでしょうか。逆に、実績がなくても誰でも知っているようなタイトルならぐっと来ます。例えば絶対にパチンコ化されないと言われているけど、ドラゴンボールとかなら話題性だけで大ヒットするのは確実でしょう。
何にせよ、名前というのはもの凄いパワーを持っているわけですが、この企画で取り上げているような時代にも、今ほどではなくても、名前だけでワクワクしてしまうような機種があったんです。

その好例となるのが、今回紹介する「花らんまん」(1992年)。この機種の前にリリースされたのが「花鳥風月」なんですが、これに続く西陣の和風シリーズ第2弾として登場しました。カタカナの機種名が多かった当時としては実に新鮮なネーミングだったと記憶しております。
また、花鳥風月は大当たり後の保留1個目の連チャン期待度が30%以上という、かなり強力な連チャン性能を持っていたので、その後続機という面でもさらに注目されてたというか、ぐっとくるというか、ザワついたというか…要はそういうことなわけです。
まずスペックですが、大当たり確率は1/236で、出玉は約2300個。これだけなら何の変哲もないものですが、もちろんこの頃の機種らしい連チャン性は大アリ。大当たり後の残保留全てで期待できた連チャンは、期待度約20%くらいと、大当たり後はドキドキしながら保留を消化したものであります。
当時は1回交換が多い時代だけに、連チャンしなければドル箱をすぐにジェットへ運ぼうと、また連チャンした場合にはドル箱を下に置くためにと、どちらにしても箱に手をかけてすぐに持ち上げられるようにしていたものでした。ドキドキと興奮と諦めをないまぜにしたような複雑な感情を隠しながら保留を消化するというのは、実に味わい深いもの。
久しぶりのゲーセン実戦では残念ながら大当たりならずでしたが、和風の盤面や美しい3色デジタルは改めて良いものだなぁと感じましたよ。
ちなみに…

この頃の機種はヘソだけではなくアタッカーの横にもスタートチャッカーがあったことを思い出しました。

さて、この3色デジタルは当時の西陣の機種では定番と言えるもので、ルーキーシリーズとしていくつかの機種に採用されています。こういった部分でもメーカーごとの特色があった時代で、平和なら白色液晶、SANKYOならドラムと、版権に頼らない確固たる個性があったんですよね。
また連チャンシステムも、きっとプログラムの流用という面が大きいんだと考えますが、メーカー毎に共通する部分が多ったんです。これらは解析によって明らかとなっていましたが、そういえばこの花らんまんの連チャンシステムは最後まで解明されなかったなと記憶しております。
ちなみに、花鳥風月は約1/3で前回の乱数を参照することで保留一発目の連チャンを実現していました(なのでハズレも約1/3で連続するため、実質的な初当たり確率は大幅にダウン)。しかし花らんまんは保留全部に期待できるということなので、同じ仕様でないのは確実なんですが…。
そもそも、連チャンシステムというのはあくまで隠し機能として存在するもの。部品のわずかな誤差を使ったりプログラムの遅延を利用したりと、まさに職人芸とも言えるものが多かったです。
ま、そこからほころびが見つかって攻略法になることもあったんですけどね。だからこそ各雑誌がこぞって解析を行なっていたんですが。
しかし最後までそのシステムが分からなかったものがいくつかありました。この3色デジタルを使っていた他のルーキーシリーズにも連チャン疑惑はあったんですが、未解明に終わっているものも多いです。
とはいえ、謎は謎のままでも記事を作らなければならないのが雑誌の宿命。しかも今に比べて文字数も多かったため、ページを埋めるのに苦労させられました。そのための実戦も欠かせませんしね。
でもそれで鍛えられて今の自分があるのかなと。現在は『隠し機能』など調べる必要もないし、また写真も豊富なため文字スペースがほとんどないページも珍しくありません。それはそれで別の苦労もあるんですけど、たまにはがっつりと文字を書くのも悪くはなく、それがこの企画ってことなんでしょう。
読者様も写真が多いページに慣れてしまったかと存じますけど、たまにはこんな文字ばかりの記事もよろしくお願いします(今さら)。
