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- 打チ人知ラズ。(わし)
8月21日の稼働日記
基本的にわしのスタイルは、優秀台を見つけその1台を終日粘り切るというもの。しかし昨今、その前提となる優秀台が「希少性の高い獲物」となってしまっているため、日々四苦八苦している。
言葉の問題ではあるが、打てる台が存在するのであれば、それを識別することはそれほど難しいものではない。希少性を高めているのは、粘れる台が、そもそも存在が危ぶまれる絶滅危惧種的なものになりつつあるからだ。都会の生態系が崩壊しているように、都市的営業スタイルともいうべき等価交換ホールで打てる台を探すのは相当に骨が折れる。
そこで、自ずと換金ギャップがあるホールで粘るというスタイルに移行せざるをえない。もちろん換金ギャップがあれば安泰なんてことはなく、ここでも涙ぐましい努力があってなんとかやっていけるのだ。
換金ギャップがある場合に最も大事なのは、いかに投資を抑えるか、そして持ち玉でどれだけ粘れるか、ということになる。
ゆえに台移動が自由なホールで実戦する場合、「羽根デジが朝イチ500円で当たって、その大当たりから2時間で5000玉になり、その玉を持ってマックスコーナーへ移動して大連チャンしないかなぁ」という都合のいいストーリーが脳裏をよぎることがある。都合がいいと言っても、「朝イチのマックスでいきなり爆連」と言わないだけまだ現実味があると思ってもらいたい(笑)。
とはいえ、こんな支離滅裂な考えに陥るようでは、我ながら「老いたな」と思う(事実、頭の薄い不惑寸前のオッサンである)。もう潮時なのかもなぁ…と自覚しつつもホールに日参しているのだが、先日、例の理想型に似た状況になったので報告がてら少し書いてみたい。
その日は投資9500円の末、約6000玉を確保して14時台後半にランチタイムに入った。この時打っていた羽根デジは通常回転数を増すごとに希望値以下の水準であることが確定的になっていったので、そこら辺にあった牛丼屋で注文した生玉子をかき混ぜながら後半戦を展望していた。
仮に実戦台がSweetまゆゆなら、清水の舞台ならぬ東尋坊から飛び降り、"渡辺麻友さんと無理心中"となっても本望なのだが、残念ながら違う甘デジを打っており、柏木由紀さん風に言えば「なにひとつ夢中にさせてくれなかった」という状況。要するに、これ以上打つのもダルいから出玉を流して帰ってもいいし、台移動自由の利点を活かして触ったことのない新台などを物色してみるのも一考という状況であった。
そこで、朝イチに見た準新台「キャプテン翼」(以下、翼)の1台が大開脚しているように見えたことを思い出し、ある皮算用が瞬時に閃いたのだ。
それは、現在のホール事情を鑑みるに1台だけ甘釘調整にしているとは考えづらいというものだ。それに、このホールは何を考えているのか分からない部分も多いため、もしかしたら見た目以上のサービス台になっている可能性がなくもない。つまり、敢えて誘い水に乗ってみるのも手かもしれないと思ったのだ。
もちろん見かけ倒しということもあるだろうし、またステージのクセなどが悪く他の台と回転率を横並びにするために大開脚が必要だったのかもしれない…。
普通に考えればトラップである可能性が最も高いわけだが、いかんせん翼を打ったことがないから全てが釈然としない。
ただ、ここ最近は大型版権のマックス機が立て続けにリリースされている中で、この翼だけは一度打ってみたいと思っていた。それは子供の頃から慣れ親しんだコンテンツで、幼い頃から修哲小の点取り屋「来生哲兵」が好きという個人的な事情もあるが、初モノ大型版権の興味からデキを確認しておきたかったのだ。どのみち打っていた羽根デジを続行しても得るものは薄いわけだから、翼を打てるチャンスを優先することは悪い手ではないだろう。
ちなみに、予備知識のないマックス機を朝イチから現金投資するのは何気に覚悟がいる。その状況と比べれば、持ち玉が壊滅しそうな18時前後まで打ち切れたとしたら悪くない負け方であるとも思った。いずれにせよ、打っていた羽根デジの回転率を上回ってこないようでは話にならないのだが。
…と、生玉子をときほぐしながら、そう思ったわけだ。翼を巡る思考によって普段より入念に研がれた生玉子を牛丼に流し込み、そしてすかさず、生玉子の効果によって滑らかさを増した牛丼を胃に流し込んだ。身体に力が漲る。今日の牛丼は心なしかいつもより艶めいて見えた。
ホールに戻り翼を打ち始めると、先ほど打っていた甘デジより明らかに良く回った。千円あたりの換算で2~3回転ほど上回っているようだ。わしの翼が他の翼より回っているのかは分からないが、確実に言えることは、打っていた羽根デジを捨てた選択は大正解ということだ。
あとは、持っていた6000玉を全ツッパすると500回転台で玉が尽きるだろうから、それまでに当たりを引いてくれることを願うばかり。
するとこの切望が通じたのか324回転で見事に通常大当たり。次いで175回転目(時短含む)、ふたたび通常大当たりとなったが、時短中に引き戻し、都合3連チャンとなった。
2回分の初当たりを消化した段階で、サンセイR&Dというメーカーは、牙狼シリーズは言うに及ばず、総じてギミックの使い方や見せ方が本当に上手いと思った。
今回の翼はコンテンツが持つ爽やかさと牙狼とほぼ同様のスペックが若干ミスマッチのように感じていたが、「サッカーボールがゴールネットに突き刺されば大当たり」という原作を上手く取り込み、パチンコらしい見せ方で癒してくれる。サンセイR&Dからキャプテン翼が出ると聞いた時、ギミックは「翼くんフェイス」を予想していたのだが、そのセンスのない予想を見事に覆すギミックには恐れいった。
そんなことを考えながら3回目の初当たりを目指していた618回転目(ST分を含む)、青保留から特訓モードに発展し「ドライブシュート完成リーチ」の震撃アタック押し込み演出が発生した。
ここまで打った感触では、「通常時の保留予告はあまり信頼度に影響がないのでは?」という印象を受けていたので、全く期待もせずに震撃アタックを押し込む。
さすれば!
上記の通り当たりそうな雰囲気はまるでなかったのだが、震撃アタックを僅かに押し込んだ瞬間に震えがやってきたから素直にビビってしまった。このようなサンセイR&Dの演出は、弱そうな予告とリーチでも当たる意外性がファンから絶大な支持を集めている要素だとまたまた感心してしまった。
余談ながら、実は台枠のレバー系演出でわしが2番目に好きなのが震撃アタックで、強烈なバイブが肘ぐらいまで伝わってくるのが気に入っている。一番好きなのは先代のガンダム専用枠で、こちらは握った時のグリップ感と手のひらに集中するバイブ感が堪らなく好ましかった。
この望外の初当たりはビクトリーチャンスで小次郎を打ち負かしビクトリーロード(ST)ゲットにも成功。このST中では牙狼シリーズから引き継いだ「GOAL保留」が特に秀逸だ。コレ見たさに保留が表示されている液晶右下に見入ってしまう。
効果音を伴い入賞を果たした瞬間(4つ目ならL保留)がこれまた堪らなく好きな演出で、やはり認知度の高い定番演出を持っているサンセイR&Dの強みの部分と言えるだろう。
結局、このビクトリーロードが9連まで伸びて20000玉近くを回収したことでこの日の勝利が確定した。この連チャン中にST回数が残り2回の場面で、緑保留だったと思うが、弱そうな保留予告と立花兄弟のリーチで当たりを引いた時は少しだけ嬉しかった。全てにおいて弱そうな展開だったが、ST中のリーチ自体が高信頼度というサンセイR&Dの伝統的な演出に密かに感謝したことを告白しておこう。
さしあたって、今回の勝因は朝イチに全台をひと通りチェックしていたことに尽きるだろう。その後の展開と翼の状態は全てが「結果論」でしかないが、世の中には結果が全てで結果オーライという楽天的状況が多いこともまた事実だ。この辺りはわしの"持っている"部分が出たのだろう。