依存症ですか?
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わしは月に20日ほどホールに行くので、年換算だと240日ほどパチンコを打っている計算になる。あらたまって具体的な数字を突きつけられると…うむ、なかなかのインパクトだ。この中には「状況が不向きなためにほとんど打たずに帰る」という日もあるのだが、基本的には打つ気満々でホールに日参しているので、やはり年間240日はパチンコを打っているといって間違いない。

そんなわしを客観的な視点で見れば、「パチンコ依存症」ということになるのだろう。まぁ他人の視線などはどうでもいいのだが、実際に依存症なのかどうかを認識しておくことは大事なことだと思うのだ。パチンコで金を稼ごうと思っているのに、そもそもパチンコを打つことが身を滅ぼす原因となるなら本末転倒だからだ。


さて、なぜこんな話になっているかというと、ある時ホールで、認定特定非営利活動法人「リカバリーサポート・ネットワーク」のポスターを目にしたことがきっかけとなっている。そのポスターには、6つのチェックシートに答えることで依存症の度合いを判別できるというようなことが書かれていた。ちなみに、ひとつでも当てはまるようなら、その人の遊技は"適度"を越えてしまっているのかもしれないそうだ。

そこで今回は、わしの遊技が適正の範囲にあるのか、はたまた依存症のレベルに達しいるのかを判別すべく、これらに「Yes」or「No」で答える形で書き進めていこうと思う。みなさんも一緒に考えてもらえれば幸いだ。

まず、6つのチェックポイントを列記しておこう。


□パチンコをするためにウソをついた

□使ってはいけないお金を、使ってしまった

□負けを取り返そうとして、途中で止められなくなった

□やり始めると、時間や金額が分からなくなってしまう

□パチンコをするために、お金を借りた

□パチンコが原因で、大切な人とケンカになった


みなさんに当てはまるものはあっただろうか? ざっくりした表現なので判断に困るところもあるかもしれないが、依存症予備軍まで捕捉するには、これくらい大きめな捉え方が大事なんだろうと思う。では、早速わしの判定に入っていこう。


□パチンコをするためにウソをついた

わしの場合、パチンコを打つことを誰かに断る必要性が全くない。よって、そもそもウソをつく相手もいないので、自信を持って「No」とする。

パチンコを打つことに関して誰かに相談しなければならない状況に陥れば、もしかしたら嘘も方便となってしまうのもしれないが…。


□使ってはいけないお金を、使ってしまった

わしはパチンコの軍資金は生活費とは別に準備していて、基本的に軍資金の範囲でカネを回せている。たまには、とんでもないドハマリを喰らって財布がカラになってしまいATMに駆け込むこともあるが、勝ったあとでキチンと入金して補完しているから、これも「No」としたい。


□負けを取り返そうとして、途中で止められなくなった

この判定は微妙なところかもしれない。少なくとも、「途中でヤメられなく」なってしまうことは確実にある。しかしそうなるのは、優秀台を追っていながらも謂れなきドハマリを喰らってしまった場合がほとんどなので、前段の「負けを取り返そうとして」というのとは大分違う。負けが…ではなく、「当たらないので仕方なく」現金で打っているだけなのだ。もっと言えば「通常時が多い時に期待値を稼いでおこう」という考え方でも打っている。とりあえず、わしなりの理論の範疇での投資なので、これも「No」ということになるだろう。


□やり始めると、時間や金額が分からなくなってしまう

時間は常に気にしている。日中は腹時計が猛アピールしてくるし、甘ソナのような演出時間が長いタイプの甘デジも、決まって21時を越えて獲得した確変が大連チャンに発展するイメージが強い。終盤戦では、閉店時間で取り切れないリスクを考慮して早めに撤収するように心がけてもいる。

金額に関しても常に細かく把握している。持ち玉遊技になるまでは頭の中の電卓が"回転数÷投資"の答えで支配されているし、持ち玉獲得後は回転率が足らない場合は即ヤメしようと意識している。まぁ足りている場合は全ツッパするのみだから、持ち玉の増減は気にしないが。いずれにせよこれも「No」となるだろう。


□パチンコをするために、お金を借りた

わしはパチンコを打つために他人から借金をしたことはない。2問目と重複するが、ATMに駆け込んでも直ぐに返すので、答えは「No」だ。


□パチンコが原因で、大切な人とケンカになった

わしは大切な人がいない寂しい中年男だから、当然ケンカ相手もいない。また日常生活で会う人とパチンコの話はしない。わしがパチンコの話をするのは、このコラムの担当者との打ち合わせの時、もしくはマイホールのパチプロと情報交換する時ぐらいだ。この人たちにウソをつく必要はないし、金銭も絡まないので間違ってもケンカになることはないだろう。よって、答えは「No」。


結局、わしの回答は全て「No」だから適正遊技ということになるのだろうか? しかしながら、わしの遊技もいつ"適度"を越えてしまうか分からない。適度を越えてしまった時には、ひとりで悩まずに迷うことなくリカバリーサポート・ネットワークに電話で相談したい。

詳細はホームページ等で確認してもらいたいが、相談窓口は、月~金(土日祝祭日除く)午前10:00~午後4:00、連絡先は050-3541-6420となっていた。



追記
七月場所から大関を務めている照ノ富士春雄について少し言及したい。

先場所は白鵬の優勝ペースで進んでいたが、大関・豪栄道の捨て身の首投げを見事に喰らってしまいリズムを崩してしまった。結果的にこの一番が春雄に大関の座をもたらしたように思っている。ただし、これはあくまでわしの見立てであり、遅かれ早かれ春雄が大関に昇進する大器であることは間違いないだろう。


そんな両者について、2014年3月25日のコラムでは「好角家として書き留めておくが、次の大関は豪栄道、その次は照ノ富士と予想する。照ノ富士は白鵬に引導を渡す男になりそうな気がしている」と書いていた。この予想的中(特に日付を注目していただきたい)には自画自賛を禁じ得ない。

この2014年3月場所終了時点で、豪栄道は12場所連続で関脇を務めていたので大関昇進は時間の問題だった(結局14場所連続関脇からの昇進)。同じく春雄は新入幕の場所で、西前頭十枚目の地位にて八勝七敗の勝ち越しを果たした新鋭に過ぎなかった。さらに逸ノ城に至っては新十両を決めた場所に過ぎなかった。


では、なぜ春雄に注目していたのか? これは春雄が"若三勝"の四股名で取っていた取的(関取ではないお相撲さん)時代から明らかにスケールが違いすぎたからだ。取的クラスでは素質がモノをいう。その恵まれすぎた身体と身体能力で他を圧倒していたのだ。関取昇進後には、横綱・日馬富士ら部屋の兄弟子との稽古で理詰めの相撲まで身に付けた。これで強くならないハズがない。

余談ながら、近年では境川部屋の妙義龍の時に似たような感覚を持ったものだ。妙義龍はそもそも実力者でケガからの復帰戦みたいな色合いで番付を駆け上がるのが早かった。一方で横綱・鶴竜のようにじっくり実力を付けて横綱にまで昇り詰めた人もいる。鶴竜も大関昇進前に伸び悩んでいた時期が長かったから、妙義龍もまだまだやれるだろう。

そして引導を渡す件だが、春雄と現在の上位陣との年齢差(概ね7歳前後)を考えると充分にあり得ることだと思っている。世代交代は新鮮さを与える反面、みんなが全盛期とはいかずに追われる者の悲しさみたいなものがあって本来好きではない。そうは言っても、白鵬には春雄に「人生、そう簡単ではない」という壁になってほしい。


今後の展望について少し書き留めておきたい。次の横綱は春雄で、その次が白鵬引退後に稀勢の里の昇進だろうと予想している。本当は白鵬の現役中に昇進してほしいが、これは難しいだろう。次の大関は順調なら逸ノ城だろうが、この人はケガが心配だ。とにかく体重管理をしっかりやってほしい。その次は未知の領域になるが、妙義龍、常幸龍、宝富士、輝(かがやき)あたりかもしれない。これは確信が持てた段階でまた書いてみたい。

個人的には、阿炎(あび)、天風(あまかぜ)、石浦、錦木の4人中で誰が最も出世を果たすのかが楽しみだ。特に石浦は押せるから舞の海さんを超える名力士になれる素養は充分で、この強烈な押しは従来の小兵にはなかった大きな武器となるだろう。取的では貴乃花部屋の佐藤に注目しており、千代の国をもう一度幕内で見てみたい。

さしあたって、好角家としては出世レースを展望している時が一番楽しい。今場所の序盤戦で好調ぶりが目立った鶴竜と春雄で優勝争いを演じてほしいところだ。