ミン尚宮様
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わしのすさまじいチャングム熱に免じて今回も「チャングムの誓い」に関する話題を続けさせてもらいたい。

名ドラマには概して名脇役がいるもので、チャングムの誓いにおいては「ミン尚宮(サングン)様」がその筆頭と言って間違いない。そして韓流ドラマは総じて話数が多いことは前回も述べたが、これはドラマを彩る脇役陣の活躍の場が増えることと同義である。そのため、名脇役の存在なくしてそのドラマの本質は語れないとも言えるのだが、わしに様々なことを考えさせるキッカケをもたらしたのも、脇役であるこのミン尚宮様であった。

このミン尚宮様はチャングムたちの先輩格としてほぼ全編に登場し、何でも話せる優しいお姉さんタイプといった立ち位置である(相槌役と思われる軽い性格のチャンイをいつも引き連れている)。キャラ的にはお喋りで調子が良く、長い物には巻かれる人物なのだが、一方で串焼きを作る腕前は超一流。料理については欲のない心で向き合っているため、最終的には「最高尚宮」の地位まで昇り詰めることになるのだ。

さて、そんなミン尚宮様は後輩女官たちに自分の体験を基にした「人生の教訓」とでも言うべきセリフをドラマで連発している。わしがこれらのセリフに出会ったのは、人生における「進むべき道」に迷っていた最中であったため、図らずも心に沁みてしまうこともしばしばであった。そんなミン尚宮様のセリフを、わしの人生観と共に幾つか紹介してみたい。



「見ざる言わざる聞かざる」

これは、結果的に心ならずも宮廷権力の意に反した行動を繰り返してしまうチャングムを諌めた時に出たセリフで、長い物には巻かれる人物らしい言葉だ。とはいえ、過去に宮廷の権力闘争に巻き込まれ、長期に渡って冷遇された体験を踏まえて言った優しさが含まれた言葉でもある。

この言葉に触れたのは、今のバイトとパチンコを打つ生活が確立しつつある20代後半である。この頃はまだ若く、バイト先でも仕事のやり方や進め方に疑問を感じることがあり、それを激しく意見して社員と対立することもあった。

まぁしかしそれは良い悪いは別にして建設的な提案だった。不満を言い募ったわけでないため、その意見がどのように扱われるにせよ、結果的に仕事が円滑に進み人間関係が維持されるのであればそれはそれで良かったのだが…。

慎むべきは、誰かに対しての評価やウワサを元にした悪口の類であった。これらの発言は、まず間違いなく「尾ひれ」が付き誇張された形で本人に伝わってしまう。わしはバイトの立場でもあるし、人の好き嫌いなどを表明することで派閥争いのようなものに関わるべきではない。

そこで「見ざる言わざる聞かざる」の"3ざる主義"だが、これはバイトという立場の人間にとって最も合理的であろう。ミン尚宮様の言葉を聞いて以来、バイト先では同僚たちの仕事ぶりを見ず、人のことは言わず、自分の評価を聞かずの3ざる主義を貫き続けている。教訓は口をつぐんで生きるのが一番ということだ。

余談ながら、この3ざる主義を貫く上司に仕える部下はたまったものではない。上司から指示がないから別人物に指示を仰ぐ。すると上司が「俺のやり方とは違う」と言い出す。部下は困って自分のやり方で仕事を進めると、双方から仕事の進め方の訂正を求められ"南北朝"状態に陥るかもしれない。



「人に対して辛いときには温かく、順調なときには厳しく接するのが道理」

ミン尚宮様が仕える尚宮が、何もかもうまくいかずに精神的にもドン底まで追い詰められていた。補助の女官からもいわれなきイジメを受けるまでになるのだが、そんな境遇に泣き沈んでいた姿を王様に見初められたことがキッカケで側室になる。すると補助の女官が掌を返して急に擦り寄ってくる。その時に叱責したセリフこれだ。

これを自身に置き換えてみると、かつて手順や方法論は何一つ間違っていないのに、やることなすこと全てが上手くいかない…という時期が思い浮かぶ。失敗を繰り返していると絶望的な気分になり、自分に一切の自信が持てなくなってしまうものだ。すると自然と精神的にもキツくなってくる。

こんな逆境で苦しんでいる時に受けるアドバイスほど嬉しいものはない。先輩などに「もう一度、やっていることを見直してみれば?」程度のことでも温かく言ってもらえれば、こちらは大いに救われるものだ。


わしは道具を使う仕事をしているのだが、与えられた道具が上手く機能せずに現場が混乱するという状況に追い込まれたことがある。しかしそこに僅かに故障があることが判明し、それを修理したとたんに事態が好転して全てが順調に回り出したのだ。

この経験から、人から与えられた道具は決して信じないようになった。人任せの場合、総じて肝心な時にボロが出る(失敗する)気がする。この教訓として、このこと以来、道具を自分の手足のように慈しむようになった。


逆に上手くいけば良いというものでもないだろう。何もかも順調な時は油断や驕りみたいなものが出てしまうものだ。こんな時に「雷オヤジ」の強烈なダメ出しは、次の課題を出してくれるありがたいものだろう。年齢を重ねると自分を叱ってくれる人は自然といなくなってしまう。口うるさく叱ってくれる人は貴重な存在だと思っている。

これらの経験はパチンコ打ちとしても大いに参考にしている。わしの経験上、不ヅキを喰らってしまう時はなぜか長期化する。ヒドい場合には泥沼化して期待値や回転率を信じ切れなったりする。そんな時はこの言葉を思い出し、強い気持ちを維持できるように心がけている。逆に順調すぎる時には「こんな状態は長く続かない」と次なる事態の後退に備えるようにしている。



「細く長い宮廷生活がモットー」

高い地位にいると権力闘争に巻き込まれたり、何かしらのトラブルで詰め腹を切らされることもあるだろう。そんな時に一歩引いた立場にいれば「楽に穏やかに末永く暮らせる」ということだが、決して無責任とか手抜きに走るということではない。やることはキチンとその立場なりにやっている。

この教えはバイトという立場上、ギャラにまつわる話で参考にしている。誰しも、やることが同じなら高い報酬が欲しいのは人情だろう。しかしそれが行き過ぎた場合、雇用主としても扱いづらくなったり、他に安く受けてくれる人を探したりする。これもまた道理である。実際カネで揉めた話はよく聞くのだが、果たして揉めるだけの価値があるのだろうかと疑問に思ってしまう。

そして「金の切れ目が縁の切れ目」という諺は本当のことだろう。わしのようなロートルになると、今の居場所から離れて1から別の場所で人間関係や居場所を構築することは大変な労力を要することを知っている。そこで許容できる限界値を超えるまではカネの話は極力しないように心がけている。教訓は今の居場所で細く長く楽に末永く生きられれば良い。そのためカネの話にも口をつぐんで生きているのだ。


とまぁパチンコとは関係のない教訓めいた愚痴(?)のような話になってしまったが、結局のところ、もし次回作があるのであれば、こんな魅力に満ちた名脇役達をもっと前面に出して欲しいというのが真意である。

パチンコ版は主役であるチャングム中心のエピソードで構成されているため、単なる賑やかし系と思われるセリフ予告でもミン尚宮様とチャンイを見たことがない。極論すれば、パチンコ版で彼女達は居なかったことにされていたのだ。これが知名度の低い脇役陣の泣き所かもしれないが、中には名脇役として異彩を放つ者もいるということが分かってもらえれば幸いだ。



緊急追記
先週の木曜日、松井玲奈さんがSKE48から卒業するということをラジオで自らの言葉でファンに報告したというニュースが飛び込んできた。実は松井氏の卒業問題は最近の超絶懸念材料で、それが具現化してしまい超絶涙に暮れている。しかし、真っ先にファンに報告する松井氏の姿勢は超絶好感が持てるし、純粋な心意気は超絶あっぱれだと思っている。

そして松井氏は、「卒業と同時に恋愛解禁になるが」と聞かれ、「恋は別にいい、それよりも友達がほしい…」と切実に語ったとのこと。今後は役者の道で頑張っていくそうだ。

人生の先輩としてわしがもし言葉を送れるとすれば、「恋愛も芸の肥やしだからそちらもがんばりなさい」といったあたりだろうか。ファン歴はまだまだ"新規"ながら、卒業後は2010年代を代表する大女優に成長してほしいと心から祈念している。


ところで、同じ日に週刊誌のスクープ記事で柏木由紀さんの「浴衣抱擁写真」が掲載された。ゆきりん推しのわしがどう贔屓目に考えてみても、若い男女がお忍びで温泉宿を訪れ"何もなかった"と考えるのはかなり無理がある。

報道を認めるのであれば、ゆきりんは48グループ所属だから、ケジメのつけ方は前例に倣って最低でも「丸坊主」以上となるのだろうか…。それがみいちゃんに対するケジメであるという世論操作が週刊誌側の狙いなのかもしれないと邪推している。とにかく、この試練がオンナの勝負所であり見せ所になるだろう。

こちらは追記執筆後から事態の進展があるかもしれない。今週は追記の予定は全くなかったが、わしにとっては余りのビックニュースが続いたので率直な気持ちのみを書いてみた。

さしあたり、ゆきりんと松井氏との対比は、悲しいコントラストで彩られているのだ。