梅雨の晴れ間
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わしの秘密を1つ白状すれば、1年の中でこの6月が一番好きである。6月といえば基本的に梅雨本番にあたり、雨の日以外でもジメッとした曇天が続くものだが、そんな日々の中で真夏さながらの容赦ない日差しが照りつける「梅雨の晴れ間」がたまに訪れる。わしにはこの、梅雨時期特有の倦怠感を吹き飛ばしてくれるツンデレ感が堪らなく愛おしのだ。

しかしそのツンデレは表裏一体として大きな試練ももたらす。実は普段から歩いてマイホールまで通っているため、雨ともなればどうしても電車での"通勤"を強いられてしまう。これには余計な交通費を使うハメになるから激しい憤りを覚えざるをえないわけだが、さらに歩かなかった分、とろけるように軽やかな入眠を得られるほどに体力を消耗していないから寝付きまで悪くなる。オマケにこの時期特有の蒸し暑さが加わることで眠りが浅くなるというダブルパンチまで喰らうから始末が悪すぎるのだ。

しかしこちらがそろそろ限界かと思うようなところで、こぼれんばかりのデレの日をよこすわけである。そんな愉悦なるデレの日には、片道約30分で往復約1時間のウォーキング運動ができ、この運動によるほどよい疲れがスッキリとした快眠へ導いてくれるのだ。すると自然、次の日への活力も回復するという算段である。


睡眠という部分以外でも、わしは単なる炭水化物の摂り過ぎが原因で超絶脂肪肝デブの中年男だから、食い過ぎの辻褄を合わせるためにも日々の運動は欠かせない。しかも散々不摂生を決め込んできたにもかかわらず、この期に及んで「健康で長生きしたい」などとと思うようになっているため、このちょっとした運動はダブルで効果的である。「食事量を減らす方がシェイプアップの近道」という耳の痛い意見は、子供の頃からからスルーし続けているので無用である。


ところで、昨年の6月の話ではあるが、おかんが友人と上京するということになった。早い話が"ばあさんの2人旅"なのだが、到着日には「浜松町から築地まで歩き、魚河岸で大変美味い寿司を食べた」と、昔の老人さながらの東京観光話を聞かされた。しかも「東京タワーを目印に地図を見ながら行ったけど、途中で道がよう分からんようになって交番で聞きまわったわ」と、キッチリとありがちなオチまで付いていた。

翌日の土曜日はばあさん2人とわしで横須賀線に乗って鎌倉まで繰り出したのだが、幸か不幸か、梅雨の晴れ間のド腐れ暑い日にあたってしまった。

わしは日頃からウォーキングで鍛えているから歩く速度は普通の人より早い。しかしこの日はばあさん2人を連れ立って歩いているためどうもペースが合わず調子が狂ってしまう。

しかもばあさん2人は、スキを見せればすぐに店の前でもの珍しそうに立ち話を決め込むようなありさまで、目的地へ辿り着くだけでも一苦労であった。そこへ季節外れの容赦ない酷暑である。この時ばかりは6月のデレを呪わざるを得ない。


そんな酷暑中でもおかん達はヤル気満々である。どこからか何冊も鎌倉のガイドブックを仕入れており、江ノ電を中心に据えての移動スケジュールを組んでいた。もちろんそれは問題ないのだが、この日が梅雨の晴れ間の行楽日和であったために尋常ならざる人出となっていたのは想定外だったろう。ただでさえ狭い江ノ電のホームである。始発の鎌倉駅は人が溢れかえってホームに入りきれず入場制限がかかってしまう。

問題はまだある。例えば、山手線の池袋~新宿間を二割でも間引き運転すれば、車内ではとんでもない"押し合いへし合い"になるだろうが、そこへ乗り合わせた都会人は、自らのスペースをさりげなく確保してやり過ごすに違いない。

もちろんそれは満員電車に乗り慣れているからなのだが、満員であればこそ、どうあがいても満員であるがゆえに、誰しもが共有する窮屈さに目を瞑ってお互いがうまくやり過ごすしかないのである。それは都会生活者としての悲しいサガであり、ルールである。

しかし今回連れ立っているのは満員電車などに乗り慣れているハズのない田舎者のばあさん2人なのだ。しかしこの苦戦必死の状況を嘆いてみても埒が明かないので、上記の山手線以上の乗車率と思われる電車に覚悟を決めて乗り込むことにした。しかし案の定、ホームを迎えるたびに多くの人が待ち構えており、自分の居場所を確保するにも難渋し、ただ降りるだけでもかなり気合のいる展開である。


すると、わしの母親らしく変わり身は早かった。「あんなに混んでるなんて知らんかった」と、江ノ電沿線を巡る予定をアッサリと捨て去り、徒歩と路線バスでまわれる範囲の寺巡りに予定を変更したのである。

そういえば、普段はクルマで田舎道をチマチマ動き回っているばあさん2人は事ある度にSuicaの便利さに驚愕し、方言丸出しでがなりたて、非常にうるさかった。

それはともかく、結局ナントカ寺(固有名詞は忘れた)を数軒見てまわったのち、この日宿泊するホテルに帰投。そのホテルの担当者の話では、この日の江ノ電は6月の新記録並だったそうだ。その原因が梅雨の晴れ間に求められるのは言うまでもないだろう。雨の鎌倉巡りはしんどいだろうが、梅雨の晴れ間は人出が一気に増えてしまうからこれはこれで困ったチャンかもしれない。万事塞翁が馬、といったところか。


次の日、おかん達は歩いて大仏を見に行ってきた。わしはW杯の日本戦(対コートジボワール)を見ると言い訳してそこへ同行しなかったのだが…本当のところはただ面倒なだけであった。しかし、たった15分程度を惜しんだために、大仏の目の前まで来ていながら見に行かなかったことを今になって後悔している。

しかもばあさん2人に連れ回された疲れから日本戦を見ること能わず、テレビを点けたまま寝落ちしてしまった。結局、日本が逆転負けを喰らうという悲しい結末のみを知るハメになり悪い寝覚めとなった。親孝行もなかなか上手くいかないものである。



前置きが長くなってしまったが、6月初旬と言えば「AKB48選抜総選挙」の季節である。今年は6月6日に福岡ヤフオクドームで行なわれる予定で、わしを含めた世間をも巻き込んだ一大イベントとなっている。ちなみに一次速報の順位は、指原氏、ゆきりん、まゆゆの順番で、チームサプライズの面々が上位を独占しているようだ。

今年の見どころは、まゆゆの初の連覇なるか、地元開催の指原氏の返り咲きなるか、はたまた一昨年4位、昨年3位と常に上位をキープしながらも、あと一歩のところで女王の座を逃し続けている"柏木由紀さん"の初Vなるか!? といったところらしい。ここに「親子の絆」という今年のテーマを絡ませて最終的な順位が決まってゆくのだ。


ところで、昨年の総選挙は残念ながら梅雨の晴れ間にはあたらなかった。たしか季節外れの台風の影響で順延になった挙句、雨天の味スタでイベントを強行し、雨でずぶ濡れのゆうこが卒業スピーチをしていた記憶がある。濡れたゆうこは超絶かわいかったし、まゆゆの女王戴冠スピーチも感動的な名場面であり、おしりシスターズの超絶ファンとして最高に嬉しいフィナーレとなったのを思い出す。

そして、この昨年の選抜総選挙が「Sweetまゆゆ」の演出に早速反映されていたからこそ、わしは今年の選抜総選挙に余計に注目するのだ。おそらくまた演出の一つとして次回作に採用されるのではないだろうか?

そうなると…もしゆきりんが1位を獲得したならば、ゆきりんを主役に据えた台が登場するかもしれない。それは、いかなる場合でも「夢中にさせちゃうぞ♪」を連発する台になっているのだろうか? しかしながら、ゆきりんは女優としての地位を確立しつつあるから、その方面の魅力で見せてくれるのか? …といった感じでゆきりんへの興味や関心は尽きることはない。

また同じ理由で指原氏の台となった場合、キャラとしゃべりを活かしたものになるのだろうか? さすれば、みいちゃんとW主演で「トークの達人」ぶりを発揮してくれたら超絶嬉しい。そんな想像を膨らますだけで気分が超絶高揚してくるのだ。


さしあたって、昨年の選抜総選挙で5位に入って神7入りを果たしていた松井玲奈氏は今回の立候補を見送った。彼女はわしにとって梅雨の晴れ間のような眩しい存在であり、ファン歴はまだまだ"新規"ながら淡い恋心が芽生えつつある存在でもある。そんな松井氏のサプライズ卒業だけは絶対に避けてほしいところだ。