小ネタ集
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このコラムを始めて以来、パチンコ関連はもちろん日常生活においてもネタになりそうな様々な出来事にアンテナを張り巡らせてきた。そうやって集めたネタの中で、残念ながらどの話題とも絡められなかったエピソードがある。

そういうものはいつか使おうと思っているうちに自然とお蔵入りになるものだが、今回はGW期間中ということで軽いテイストも悪くはないだろうと思い、その小ネタ3本を蔵出ししてみることにする。



[1]ある航空会社のサイトでのこと

このサイトでは週に一度、ある質問に答えるとビットコインが貰える。言わずもがな、タダでカネをくれるに等しい。この積み重ねが何気にバカにならない額のコイン獲得に貢献しているだけでなく、さらに獲得したコインの使用頻度が高いことで必然的に日々のチェック対象になっている。

ある時、「"今の自分がいい顔してるなぁ"と思った体験を教えて下さい」という設問があった。そこでわしは、思いつくままに「パチンコを当てた時のドヤ顔!」と入力。

わしはコメントを白日の下に晒して誰かの共感を得たいワケではなく、ただコインが欲しいだけだから早々に片付けることしか考えていない。そのため咄嗟に本音をこぼしたに過ぎないのだが、これが落とし穴となった。


この時、いつもよりコメントの処理が遅く変だなとは思った。しかし、まさか長々と待たされた挙句、「使用禁止語句が使われています。投稿は中止されました」との表示が出てくるとは思いもしなかった。すなわち、わしの会心のコメントは受付拒否を喰らってしまったわけだ。

それにしても、一体この短文のどれが使用禁止語句に相当するのか? 入力したコメントは極めて短いものだったから、「パチンコ」か「ドヤ顔」のどちらかの単語が不適切だと判断されたのだろうが…。

どうも腑に落ちないので、サイトの注意事項を確認してみたところ、「テーマにそぐわない投稿をされた場合は削除対応させていただく場合がございます。あらかじめご了承下さい」という文言があった。


先方的に旅行関係のコメントを期待していたのは明白ではあるが、パチンコで大当たりした時に「会心の笑顔を見せる人」は自分自身を含めて多数いることを実体験として知っているから、テーマにそぐわないことはないはずだ。するとどうやら、大当たりからのドヤ顔というものには、世間的に好ましくないことが含まれているということになるのだろう。

つまり、「時間を損してしまうから世間でパチンコ絡みの発言は控えよう」と思った次第だ。



[2]さる東南アジアの国で両替屋を訪れた時のこと

パッと見、わしは東南アジア人には見えないし、アメリカ人にも見えない。日本の片田舎の百姓のDNAを受け継いだ典型的な日本人ヅラをしている。アメリカは移民国家だから厳密にはわしと瓜二つの人物がいても不思議はないが…まぁそういう他人の空似レベルの話はとにかく、わしのどこをどう見ても欧米人には見えないはずである。

そんな純然朴訥たる日本人が両替に赴いた。両替屋は対面式で透明な板で仕切られており、その中心下部に金銭をやり取りする小窓がある。わしはそこに100米ドル札を差し入れる。係員は偽札でないことを機械で確認した後、両替金額が書き込まれた受領書にサインを求めてきた。

この東南アジアの国においても、わしは日本でそうするように「漢字で書いた苗字を丸で囲むサイン」をして返した。すると先方が「フルネーム」と言って突き返してきたから、「そんなのどうでもええやんけ」と思いつつ、丸サインの隣に漢字でのフルネームサインを走り書きして負けずに突き返したのである。

しかしわしの2往復目のサインを確認した係員は、明らかにウンザリした表情を示している。そして2往復半目となる相手の3回目の口撃は、「イギリスサイン」とため息混じりであった。

係員からすれば、米ドルを出す人間が漢字を使うのは変だと思ったのかもしれないが、どのみちサインはミミズが這ったような走り書きだから「こんなもん誰にも読まれへんやろ」と言いたかった。

すでにサインスペースの大部分は係員の希望に添えなかっただらしない漢字で埋めつくされている。そんな中での3回目の署名はかなり邪魔くさかったが、丸サインと漢字サインの下、サイン欄の外野にデカデカとローマ字で署名をくれてやった。

3往復目にしてやっと"フルネームでのイギリスサイン"を得られた係員は、素晴らしい微笑みと共に「サンキューゥ」と言いながら両替した金を渡してくれたのだが、いずれにせよ、一度の両替に3往復を要したのは初体験である。

つまり、パチンコ絡みだと「両替額さえ合っていれば無言で問題ないから楽だ」と思ったというオチである。



[3]有名人

まず本人に間違いないが、先日、フランスW杯日本代表戦士と思われる人物と地下鉄で乗り合わせた。一般人と体格からして違いすぎるから目立って仕方ないのだが、ある意味場馴れしているのか、スマホをひたすら触っていて顔を全く上げなかった。そのせいで人物の特定に確信を得られないのだが、しかしわしは本人と知り心の安定を図りがために必要以上に彼に視線が釘付けになってしまう。この話で思い出したことがある。

わしはあるホールで1人で打っていたにも関わらず、当時人気絶頂だった「お笑いタレントの◯◯が打っている」と店内騒然となり、その情報が誰彼なしに伝わってきたことがあった。このタレントさんにとっては貴重なプライベートタイムだろうに、人口の多い地域のホールだったせいもありウワサの波状攻撃を止めることはできなかったようだ。若しくは、運悪く野次馬の類が多かったせいかもしれない。

この時、有名税とはいえ「プライベートまで大変だな」としみじみ思ったものだ。


また、10年以上前、あるホールの休憩用のベンチで「うたた寝」をしていたのだが、パッと目が覚めたら、目の前の台で見覚えのある人物が打っていた。それは、現役時代、「絶好調!」のセリフで有名だった某球団の監督さんだったのだ。

つまり、「パチンコも絶好調ですか?」と絶賛寝ぼけまなこ中においても、そう思わざるを得なかったわけである。


余談ながら、この時は瞬間的にテレビを見ている感覚に陥った。それほどわしの中では有名人であったし、それにこの時期はアテネ五輪での後継監督問題が浮上していたから、「パチンコ打ってる場合か?」と、世間体を気にして心配した記憶もある。まあ、無事にチームの指揮を執っていたから問題なかったが…。