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- 打チ人知ラズ。(わし)
理想的なST機とは
遊技者によって大きく好みが分かれるものの1つに、ST機における「ST回数」が挙げられるだろう。まだこれといったバランスを掴みきれていないからか、メーカー側も様々なアイデアを投入し続けている。遊技者のニーズを模索しているのが現状、といったところだろう。
ただし、わしはST150回を超える牙狼タイプが最も成功しているように感じる。牙狼ファイナルと金色のST引き戻し率は約77%前後に設計されているが、ザックリ言えばスルーを喰らってしまうのは4回に1回という計算、もしくは、人によっては5回に1回と考えているかもしれない。このどちらともとれる確率に設定しているあたり、たまたまかもしれないが、これまた絶妙である。
いずれにせよ、この77%と150回を超えるST、そしてリーチとそこからの大当たりのバランス、全体の消化時間、大当たりの出玉…などなど要素は複雑に絡み合うが、牙狼タイプが一歩抜きん出ているように思う。
ちなみに、STスルーの逆を考えれば4回に3回、もしくは5回に4回は大当たりが引ける計算になる。したがって、それが何連目であろうとも、STを抜けた時には「不幸が訪れた」と愚痴ってもそれほど大袈裟ではあるまい。
それだけの継続率を誇っていれば、あとはリーチ出現率と信頼度のバランスで遊技者を虜にするのみである。
その点、このメーカーはその黄金比率を探し出したとしか思えないほどの素晴らしいリーチバランスを創出している。…とわしは感じている。これは簡単なようで非常に難しいのだ。その証拠に、演出的にバランスが良いと思うST機を思い浮かべてみると分かる。好きな機種は各々あるだろうが、バランスというところだけで考えると、なかなかこれというものはないはずだ。
またリーチ時における煽り、そして当たった時の爽快感も大事である。同じ当たりでも、ただ単に当たるのと、何がしかの達成感を経た(ような感覚を得られる)当たりではまったく印象が異なるのだ。
「あー、なんか当たってるわ」とアッサリ当たるのと、煽りがあっての「当たれ当たれ当たれ!」という怨念(!?)を込めまくった後に勝ち取った(と錯覚する)当たりではまったく別物である。また上手いことに、STの前半部分では爽快感を残すためにあっさりした演出になっているあたり、バランスの妙と言えるだろう。
さらに液晶演出以外の部分でも、顔役モノ(遊技者自身からはあまり見えないが…)であったり、剣を押し込む演出など斬新なギミックで興奮を高めてくれている。このあたりにも唸らされる。
もちろん良いところばかりではない。たとえば、ST回数が150回を超えるタイプは、そのST回数の多さゆえに、どうしてもハズレの激熱リーチが何回か出てしまう。
それを出さないやり方もあるが、そうすると、何の演出も出ず、気持ちの高ぶりがまったくないままSTが終わってしまう。どうせ当たらないのであればアツい演出が出ようが出まいが一緒ではあるのだが、人間そう簡単には割り切れないのが難しいところ。初当たりという高いハードルを越えた先にあるのがそれでは、募るのはイライラばかりであろうことは容易に想像がつく。
さて、ある程度の激アツハズレを組み込んでいくと、スルーであっても、牙狼であればST消化時間は5分程度は要するであろう。そして中身(=大当たり)がないにせよ、これが大事なのだと思う。つまり、あっさりは終わらず、適度な期待感を持てるリーチが複数回ある。そしてもちろん、実際それなりに連チャン回数を伸ばせるポテンシャルがある。このあたりが面白さの秘訣ではないだろうか。
逆に、これはST回数が多いからこそとも言えるだろう。激アツ演出がハズれまくればそもそも激アツですらなくなるのだが、ST回数が多いために発生率はそれほど高くないのだ。結果、期待度としては「激アツ」という言葉のレベルはギリギリ保てているのではないだろうか。
まぁなんと言おうが個人の感想を越えられないのだが、稼働という結果から考えあわせると、それらがニーズを満たしている最大の要因だとわしは分析している。
一方、歴代STの中でわしが最も高い評価を与えているのが、4代目の北斗百裂である。みなさんは覚えておられるだろうか?
「潜伏確変が続く北斗百裂」と言えば、思い出す方も多いだろう。ただしこのマイナス面も、「通常時に出玉を獲得できる大当たりは全て16R」という点で相殺できる。つまり、潜伏確変が多いことをマイナスに捉える必要が全くない機種であった。
この百裂は、ST32回+4回というST内容で、牙狼などのロングST機とは真逆のショートタイプである。
「乱世モード」名付けられたST中のリーチバランスを簡単に説明しておくと、初回はサービスタイム的要素を盛り込んでおり、リーチ信頼度は概ね30%程度。この32回転で2~3回のバトルを楽しめる出現率だった。ただし2回目以降になるとバトル出現率は低いのだが、相手が誰であろうとバトル発展で概ね70%程度の勝率を持っていたのだ。
この「(2回目以降の)1回のリーチが文句なしでアツい」ショートタイプこそ我が好みである。オマケに回数を消化する毎に期待値が減っていくST機だから、終盤でのバトル発展などは文句なしで激アツとなる。パチンコ打ちの側面からも、消化が早く通常回転数を稼ぎやすかったため、高評価だった。
加えてキャラの扱い方も、弱い者を弱く設定してしたのが良かった。わしは拳王様を選択することが多かったから、発作持ちのリュウケンが出ればいきなり負けを覚悟したし、逆にフドウの父さんならほとんど勝ちを確信した。
そんな中で、七星点心を喰らってうずくまっている拳王様に黒王号が「ヒヒィーン」と罵声(馬だから?)をおくり、拳王様が立ち上がる様はまさに感涙モノだ。こういった、キャラ毎にメリハリが効いている点も高評価を加速した。
しかしながら、2回目以降はST32回で信頼度70%だから、バトルに発展せず2分程度で32回転があっさり終了する事態が頻発せざるをえない。端的に言えば、ケンシロウがザコをボコボコにしているだけで、気づけばSTは終わっているのである。たまに黒王号が乱入してきて期待を持たされるのだが、あの…空馬だった時の絶望感たるや。
ちなみに、この演出は拳王様が乗馬していればバトル発展で大当たり。バトル演出がラウンド中で展開されるため最も時間を使わない当たり方で、わしが一番望んでいた当たり方でもあった。
そんなわけで、バトル演出や機種のデキは最高レベルだと思うが、バトル発展なしのスルーが余りにあっさりしており、一般ファンには受け入れられなかった。繰り返すが、バトルに発展さえすれば信頼度70%なのだ。この強烈にメリハリの効いた演出の素晴らしさが受け入れられなかったのは残念である(あくまでST仕様の話。当時、高稼働を維持していたのは言うまでもない)。
ゆえに5代目の百裂は128回のST機に変貌してしまった。これはエンドユーザーのニーズだろうから異存はない。今後益々百裂シリーズが進化することを願ってやまないのが偽らざる心境ではあるのだが…今年は4代目の百裂を超える、「1回のリーチがアツい」ショートST機の登場を心から待ち望みたい。
追記
一月場所も早々に金星を配給してしまった横綱・鶴竜。場所前には婚約と同時にパパになることを発表して、結局ゴシップ的な扱われ方をされてしまう始末。こんな有り様では本職の相撲以外でもストレスが多くなることは想像に難くない。
わしはバカンスで外国に行く機会があるのだが、その時に思うのは、片言の現地語でも意思疎通が図れる…ということではなく、母国語で細かい部分まで会話を重ねないと本当の意味で満足なコミニュケーションはできない、ということ。
レストランで食事を注文する程度であれば何も問題はないが、心境が入り混じった会話で「言ったことを言った通りに理解してくれること」は、母国語が違えば言葉の奥の心情みたいなものが伝わりづらい。
そういう意味では、相手が母国語以外で話している場合、受け手の理解力…というか、想像力も重要なポイントになってくる。
例えば、日本人と中国人が英語で会話したとすると、双方が同レベルの英語能力であれば、それなりにコミニケーションが成立するが、英語能力に差があると、途端に意思疎通が難解になるのである。これは自分の体験として強く感じる。
余談ながら、わしは日本でも外国でも咄嗟の時には必ず大阪弁のイントネーションで「うそやん!」とか「ホンマに?」と呟いてしまう。不意を突かれ地が出てしまった時は、やはり「お里が知れる」のだろう。
まあわしの話はどうでもいいのだが、日本での生活が長く日本語が堪能な鶴竜でも多かれ少なかれ同じ思い(言葉での表現に対するストレス)を持っているだろう。そんな鶴竜がモンゴル女性に心の安らぎを感じたのは自然な成り行きだと感じる婚約ニュースだった。
持ち出した事例のニュアンスが主旨と若干ズレている気がしないでもないが、とにかく飛躍のキッカケにしてほしい。