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- 打チ人知ラズ。(わし)
夢番付
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。読者の皆々様におかれましては、ごきげんうるわしく新たなる年をお迎えかと思われますが、いかがお過ごしでしょうか。
わしはといえばですな、円安が進む前から予定を組んでいた旅に出ておりまして、そんなわけでこの原稿を書いているのは2014年末だったりするのだが…。まぁそれはともかく、渡航先から6日に帰国し、しばし休息をとり、10日には常日頃の不義理を埋め合わるために実家へ帰省する予定です。
したがって、成人の日以降からが2015年の本格的な始動予定となっています。我ながら随分と悠長だなぁとは思うものの、この悠長っぷりこそが「自分の都合で予定が組める」というパチンコ打ちの特権の一つ。昨年の低収支にはホトホト参ってしまったが、命運が尽きるまでこの自由な身上を謳歌したいと考えていますので、今年も是非によろしくお願いします。
さて、前回は非情なる現実を語ったから、今回は一転して夢でも語ってみようか。
わしの周囲では、昨年登場した「CRフィーバークィーンII」の評価がすこぶる高い。高評価の理由は、往年の名機である初代を知っている40代以上の人と接する機会が多いこと、そして初代を忠実に再現していることが挙げられる。そういう意味ではこの評価は大分偏っているかもしれないが、何気にわしも同意見で、異論は全くなかったりする。みなさんご自身、または周囲の方の反応はどうだろうか?
クィーンのアクションをざっくりと分析すると、「ドラムが速度を変えながら回って」おり、そこに「ランプ(光)系のアクションが加わって」いる"だけ"のマシンと言えるだろう。そう考えると随分とチープでつまらないものと捉えられてもおかしくはない。しかしながら、このアクションを最大級…いや、120%以上に盛り上げる「アドレナリンを全開にさせる効果音」がマッチングされていることは見逃せない。
わしは思うに、この部分こそが現行機に足りないのではないだろうか。人間というものは、ある特徴を有する音(音楽)を聞いていると気持ちが安らいだり、高揚したりする…らしいということを耳にしたことがあるのだが、そうであるならば、もっとそこに訴えかける戦略を練るべきではないか。
もちろん視覚的な部分で気分を高揚させることも可能ではあるが、もう少し、音を聞かせることによって「煽る」部分に金とアイデアを注ぎ込むべきだ。各メーカの確定音的なものも非常に良くできているし、それなりの効果を上げていることから分かるように、サウンドというのは、ファンを獲得するための大きな鉱脈に相違ない。
クィーンでいうと、通常時は「ピリピリピリピリッ」の繰り返しだが、テンポの良い音が充分な回転率を維持したかのような安心感に繋がる。この途切れなさ感が実に良いのだ。また、リーチ最終盤に待っている「ピピピピィイピーー」の効果音は、打ち手をドラムアクションに引き込むのに絶妙な効果を発揮していると感じている。
余談ながら、スロット台のジャグラーシリーズの開発者の一人から、「徹底的に打ち手目線でアクションを作り込んだ」と直接聞いたことがある。あるアクションを見て、見せ手側である開発者の意図と受動的な立場である打ち手側の受け取り方(見え方)は全く異なったものになる可能性がある。そこで、試打に次ぐ試打による試行錯誤の末に擦り合わせた結果、"大ヒット機種完成"になったというヒストーリーだった。古い記憶ではあるが、モノ作りの原点を聞かされたようで大変感銘を受けたことを覚えている。
そしてこの打ち手目線というのは、現在のパチンコの開発にこそ求められているのではないだろうか。わしの声が聞き入れられるのであれば、その時は間違いなくサウンドを推すことになろう。
というのも、液晶とギミック系が連動した演出はそれなりに開発され尽くされていると思うし、既にかなりの完成度である。であれば、やはり次に来るのは「音」に相違ない。この分野は未開の新大陸のようであり、今後伸びる(伸ばせる)可能性を無限大に秘めていると思っている。人間の脳波を研究している人とタッグを組んで台の開発をしてみるのも面白いような気がするのだが…。
従って、今年の夢新台は…興奮のバイブレショーンを紡ぐ音で満たされた刺激的で画期的な機種ということになるだろうか。そんな意味で主要演出を音と光で構成している「CRフィーバー真花月」には大注目していたりするわしである。
昨今登場する新機種は、液晶演出とギミック演出を組み合わせたド派手なアクションをウリにした機械が多いのだが、わしが心を掴まれる演出というのは、あのギミック巧者の最右翼的な牙狼シリーズにしても、大当たり寸前での「間の取り方」だったりするわけだ。
あれは打ち手の高揚感を最大限にまで高める名演出だと確信している。間で焦らされた分に比例して、大当たり後の「ガッロー」(と聞こえる)を聞けば、ひと仕事終えたような爽快感に満たされるから不思議なものだ。
いずれにせよ、パチンコ台は大当たり抽選を行なうことのみが役目だ。ゆえに、個人的にはシンプル・イズ・ベストの路線で充分だと思うが、様々な時代のニーズを汲み取って共存共栄を果たす知恵を絞ってもらいたい。偉そうで恐縮だが。
とりあえず、パチンコに対する夢は以上だ。ここからは、完全なる趣味話として2015年の大相撲界を展望してみたい。
今年は関脇・逸ノ城、碧山を筆頭に、照ノ富士春雄、栃ノ心、宝富士らを主役とした「大関獲りレース」が盛り上がるだろうと予想している。
わしが先場所の取組で最も白熱したのは、千秋楽に組まれた春雄と逸ノ城の一番だった。この日までに逸ノ城は、大関・稀勢の里にしか番付上位者には勝てなかったが、下位力士には取りこぼしナシで既に勝ち越しを決めていた。関脇の力士なら当然の結果のように思われるかもしれないが、十一月場所で逸ノ城が該当していた新三役で勝ち越せる力士など滅多にいない。関脇の地位で下位力士に全勝の実績も並大抵の器ではないことの証明だろう。繰り返すが、入幕二場所目で新小結を飛び超えた上での新関脇としての成績だから恐れ入る。
この逸ノ城の「モンスターぶり」は、お茶の間にまで届く話題であり、その素質や力量を疑う余地は微塵もない。九月場所で鶴竜から初金星を挙げたのも説得力充分の結果で、あの叩き込みを喰らってしまった鶴竜はいい面の皮だったと思う。わしは当日に観戦していたから、逸ノ城の勝利に狂喜して座布団を放り投げてしまった。
一方の春雄は、七勝七敗で勝ち越しがかかる取組となり、互いに充分の四つ相撲から春雄の寄り切り勝ちとなった。このモンスター相手に、がっぷり四つから寄り切る春雄も只者ではない、もしかして逸ノ城以上の底知れぬ実力の持ち主かもしれないということを、この一番で改めて思い知らされた。ちなみに両者は同じ高校の相撲部で、相部屋の寮生活を過ごした先輩後輩の間柄(春雄が一年先輩)だそうだ。
将来的に両者の取組は、東西の横綱対決となっていても全く不思議はない。だからこそ両者にはケガなどなく順調に出世を果たしてもらいたい。現在の大関陣は、来年の今頃には稀勢の里以外は入れ替わっているかもしれない。それだけ若い力が台頭してきている、と感じている。
2015年の夢番付として、新三役に琴勇輝を予想したい。そして新入幕は堀切、新十両は川成、錦木に期待している。新十両の2人は関取クラスが大勢いる幕下上位での経験が長いから、キッカケひとつで新入幕まで駆け上がるだけの実力はすでに備わっていると見ている。とにかく、名前を挙げた全員がケガなく皆勤してもらいたいところだ。