乙女心覚醒
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平和の最新作「CRめぞん一刻~好きなのに…~」(以下、めぞん)の導入が始まっている。機種の詳細はサイトを見ていただくとして、わしは盤面について触れてみたい。ちなみに業界人が「ツラが良い」と言えば、台の見た目が良いという意味だが、わしも場末のパチンコ打ちの分際で僭越ながら、めぞんは良いツラ構えをしていると思っている。

パチンコのギミックに求められる要素は、とにかくインパクトだろう。遊技者に強い衝撃を与えた牙狼シリーズのフェイスオブガロやリングシリーズの貞子の手落下ギミックが代表格となるだろうが、こういったギミックは今やバトル系の機種には欠かせない演出となっている。

一方、めぞんは原作がラブコメなのでバトルタイプのような興奮を煽るようなものとは趣が異なり、主人公2人の恋の行方がリーチ演出のメインになっている。そんなめぞんの世界観に合わせて搭載されているのが「3層フィギュアパネル」と「4層イルミプレート」だ。合計7層で織りなすギミックはこれまでにないもので、これはこれで絶妙なインパクトを持っている。

わしも実機を打ってこの世界観を体験してみた。ここ10年間の新台は、ほぼ漏れなく見ているが、パネルがチュー(Kiss)する時の台の美しさは他の追随を許さない絶品さだ。ギミック完成時のインパクトは、イルミプレートやLED効果も相まって、女性遊技者の乙女心を呼び覚ますことは確実だろう。少し遠目から見ると、台枠との連動でより美しく輝いて見えるから、実戦の際には少し仰け反って液晶画面を見ると良いだろう。

また、主人公である五代裕作になった気分でガラにもなくときめいてしまった。みっともない話だが、口が開きっぱなしで演出に見入ってしまったことを告白しておく。


それはさておき、恋の行方を盛り上げるために使われている楽曲群もまたステキすぎるのだ。特に小林明子の「恋に落ちて-Fall in love-」は、わしも大好きな昭和の名曲である。

切ない女心を唄っている"ダイヤル回して手を止めた"のフレーズを、友人のアキオは「俺の時代なんてさ、携帯なんてなかったから彼女の家に電話したら相手のオヤジが出てくんの。『娘はいま風呂に入ってるよ!』って怒鳴られてさ。電話するのも度胸がいるんだよ。でも何かのキッカケでオヤジと話すようになって次第に認められて、うまくいく時もあったんだよな」と解説してくれた。わしの時代は携帯などでピンポイントに相手とコンタクトが取れる状況下にあったから、この手の経験はほとんどない。アキオのメンタル面の強さの秘訣は、こんな経験に依るものかもしれない。

また、この曲は、ドラマ「金曜日の妻たちへ3」(昭和60年放送)のテーマ曲でもあった。わしはパチンコで早上がりが続いていた時にレンタル屋でDVDを借りてきて見たことがあるのだが、ドラマの主人公たちは40歳を目前にした子育て中の団塊の世代で、冷え切った夫婦関係や昔の恋人との再会から不倫に走るという衝撃的な内容だった。

わしの両親はモロに団塊の世代だから、ドラマでは等身大の親世代が描かれている。現代との隔世の感がタップリなのは、脱サラして料理学校で習った技術を活かして洋食屋を始めるというエピソードだ。もう現代では「脱サラ」は死語に近いかもしれないが、リストラの方は頻繁に聞く現実的な話だろう。脱サラで新規事業とは…夢のある羨ましすぎる時代だなぁと感じたものだ。実際、現在の中年パチプロの入り口は、リストラからの転身がほとんどだと思われる。

それはともかく、そのドラマにおける子供世代はジャストでわしの世代だから、昭和60年の阪神優勝のエピソードが語られているドラマの世界観に違和感なく入っていけた。劇中、母親に監視されながら小学校の宿題をやっているシーンもあるのだが、出来が悪く間違えまくる息子に、母親が溜息を付きながら「あ~あっ、こんなことばっかり」とウンザリして愚痴をこぼすと、「まーまーそんなにヒス起こさないで」と息子に諌められて怒り出すシーンなどは、わしにも似たような記憶があるから、懐かしい昭和の子供時代に帰ったような気分になってくる。

また、ドラマで映し出される街並みは、当時の新興住宅地やエレベーターのない4階建て程度の団地で、子供の頃に見た風景がそのまま映し出されているから感涙モノだった。後年、ロケ地だった「つくし野駅」近辺に足を運び、ドラマでよく出ていた坂道を見た時には感激したものだ。

…とまあ、めぞんの話が大いに脱線してしまった。ラブコメの原作を忠実に再現したギミックと豪華な楽曲群、さらにファン必見の31話ものプレミアムエピソードが搭載されている魅力的な一台である、と言いたいだけだったのだが。

しかし、どうだろうか。パチンコを打ちながら無心になったり、ぼんやりしたり、はたまた小難しいことを考えたり、反省したり、気持ちを落ち着けたり、追憶の世界へ彷徨いこんでしまったり、これもまたパチンコの醍醐味ではないだろうか。



追記
めぞんに採用されているセリーヌ・ディオンが唄う「To Love You More」も超絶オススメです。


そしてまたまた話が変わるが、十一月場所は新関脇・逸ノ城の活躍も注目だが、白鵬が32回目の優勝を果たすかにも注目している。この優勝回数は大鵬親方に並ぶ大記録だ。この大鵬親方の記録に並び、抜き去った後の世間の評価が気になって仕方ない。

わしも思うところは多々あるが、白鵬が32回目の優勝を果たした時に持論を述べたい。