開拓者となる!?
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先週のコラムで「次のステップを踏み出さなければならない」と結んだ。これは現在の偽らざる心境であり現実でもある。そこで、わしはデブの重すぎる身体を酷使することを承知で、シブシブ自転車で開拓の旅(ホール廻り)に出ることにした。

ちなみに、自転車にデブを載せることは非常にリスキーだ。タイヤの接地面積が増え、どこかの山奥でパンクしてしまうかもしれない。山奥で立ち往生なんてゴメン極まりない。

ふぅ~。

面倒だが仕方ない。接地面積を減らすために手動の空気入れでタイヤが張り裂けんばかりにして街中へ旅立った。


見廻りの本命は、なんだかんだ言っても「バラの儀式」だ。設置台数が多いということはもちろん、前作との比較でなんだかんだ言われてしまうが、バラの儀式を冷静に見つめ直すと、現行機では破格に勝ちやすい部類に入るのは間違いないのだ。

機種のデキは素晴らしく良いから、あとは稼働の良いホールを見つけられるかどうかだろう。まぁ稼働が良くても打てないホールもあるのだが…。そしてこの探索のおこぼれで「沖海3」などの対抗台、そして大穴で新台の優秀台が見つかれば御の字といったところである。


ちなみに、開拓の旅を自転車で行なうのは、一にも二にも「小回りが利くから」だ。わしの棲家(ヤサ)は適度な場末ではあるのだが、そこを離れ街中へ向かうほど自転車は効果を発揮する。そちら方面は1つの駅前に複数店舗が存在するため、面倒臭がりのわしでもサクっと複数店舗を見て回ることができるのだ。

しかし見廻りの時間帯を、客付きが最も良いと思われる夕方に設定していることで、駐輪場が満車になっていることもしばしば。これには非常に参る。申し訳ないが、ホール近くのスーパーで客でもないのに駐輪しようと駐輪場を覗いて見るも、こちらも夕飯の買い出し主婦層のママチャリだらけで付け入る隙がない。

空車があるのは、お金を払わねばならない駐輪場(1時間200円)のみという有り様だ。見廻りのために「カネは出せねぇ」とケチったから、目的ホールから徒歩3分程度の寂れた場所に自転車を停めるハメになってしまう。


まぁこれは栄えた場所で生じる難点ではあるが、それを避けて田舎方面へ向かっても、ホール間の距離がなかなかに離れていたり、難所的な坂道に心を挫かれるなど別の問題も生じてくるし、オマケに田舎方面は畑と森だらけだから自然とホールも客数も少なくなる。こんな条件で勝てる台に辿り着くためには、誰も座っていない台を見て良し悪しを判断しなければならない。どちらを選ぶかはそれぞれだろうが、どちらにしろ簡単ではないのだ。ある程度の面倒は引き受けねばならない。

ただし、実際問題として、わしの好みは客付きが適度で、日毎や台毎に釘にメリハリがあるホールだから、田舎方面の開拓には力が入る。…と言いつつ「駐輪場に苦労しないから」というのが最大の理由だったりするのだが。

ちなみに、ド場末の初見の店では真の実力が試される。データランプから優秀台を見切ろうにも、客付きが悪く打ち込みも少ないから、データなどは無用の長物と化してまるで使えない。わしが釘読みよりデータ読み派なのは以前述べたかもしれないが、こんな状況では翼のないスズメに成り果てた気分になり、気持ちが凹んでしまう。

とはいえここで諦めては凌いでいけないので、仕方なく釘の形状を見てみる。打った玉の流れは、ぶっこみ付近から風車上のバラ釘を経由して風車で左右に振り分けられる。そして、ヘソ方向に向かった玉は道釘のスキマ(ひどい場合は段差と化している)を突破し、ジャンプ釘で跳ねてヘソに向かう。この一連の流れは、基本的にどのホールでも同じだ。

釘読みに関して、わしはヘソ、風車の向き、風車上の寄り釘の形状で良し悪しを判断することにしている。回転率が期待できない台で右打ち時の釘調整を見ても「骨折り損のくたびれ儲け」なので、とりあえず回転率が期待できる台と判断するまで右側は無視することにしている。


回転率の予想に関しては、頭の中にあるマイホールでバラの儀式が千円20回まわった時の釘の形状(一定の基準として)と、実際見ている釘の形状を比較してみる。

例えば、ヘソがマイホールより広いと判断すれば一歩手前の風車の向きを見る。そして風車もマイホールよりプラスだと判断すれば風車上を見る。これもプラスだと判断すれば20回以上回る可能性が広がってくる…という判断だ。もちろん、釘の形状が悪くマイホールの20回以下だと判断すれば、容赦なく切り捨てる。


つまるところ、「頭の中にあるマイホールの釘の形状(一定の基準)から足し算引き算をして」見た目の優秀台を割り出しているのだ。このような比較を繰り返しながら、試し打ちに値する台を探すというのがわしのスタイルである。

マイホールを持つ効用というのはいくつかあると思うが、この釘にして○回転という基準を持てるというのは非常に重要だと思う。ただ単に釘が開いている開いていないというボンヤリとした判断よりも、マイホールと比べて回らないのは○○が閉まっているからだと気付ければ収穫は大きい。こういうちょっとした積み重ねが勝ちにつながる価値となるわけだ。

まぁ偉そうなことを書いてはみたが、なかなか優秀台に辿り着けてはいないのが実情ではある。冬を超すためにはなんとか優秀台を打つ努力を続けねばならない。


余談ながら、バラの儀式の稼働が抜群のシマがあって、喜んでチェックに行ったら1パチコーナーだったということが数件であった。

見廻ったホール全てで、例外なく稼働が良かったシマは1パチなどの低貸玉コーナーで、4パチは苦戦中のようだった。これも時代の流れだろうが「厳しい環境下になってしまった」と改めて思った次第だ。