松真ユウ 第1戦
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こんにちは。松真ユウです。

いきなりですが、僕は神7という企画が好きでした。

ミリゴが好きだったというのもあるし、ああいう過酷なルールの実戦企画が好きだったというのもあるし、とにかく、当時は一読者としてあのコラムを笑いながら読んでいました。


それから約1年半。

まさかその企画に自分が参加することになるなんて誰が思いますか。前回の大敗と何の関係もない僕が、いきなり雪辱を果たす側にまわるなんて誰が思いますか。

いざこうなってみると全然笑えません。神7なんて好きでもなんでもありません。檻の中のサルを見ていたら自分も檻の中にいた。そんな気分です。

そもそも、なぜ無実の僕がこの企画に参加する羽目になったのか。まずはその経緯について簡単に説明したいと思います。


――2月某日。

僕がこの世で1番嫌いなものがキノコであるにも関わらず、いつも出前で頼んでいた某ファミレスのなんとかハンバーグに突然しめじがトッピングされてきた(今思えばこれが不幸の前触れだったのかもしれない)。

僕は、小学生の頃給食のスープに入っていた椎茸を知らずに食べてゲ○を噴射した経験があるくらいキノコが嫌い。あのフォルムが嫌い。

でも仕方がないのでそのしめじを取り除きながらハンバーグを食べていると、企画主であるオペル先輩から電話がかかってきた。

「はい、もしもし」

「あー突然なんだけどさー、神7やる?」

「神7って…あの神7ですか?」

(改めてルールを聞いてみると寒気がしてきたので断ろうかとも思ったが、僕は新人なので快く承諾)

「じゃあよろしくねー」

「あ、はい」

「(ツーツー…)」

これで良かったんだろうか。もっとゆっくり考えるべきだったんじゃないだろうか。

そんな不安に駆られながら、僕は目の前に積まれたしめじをティッシュに包んでそっと処理した。

そして後日。

打ち合わせに顔を出すと、見るからに不満そうな四帖半先輩としゃっく先輩がいた。やはり、この企画には全く乗り気じゃないらしい。

しかし、どういうわけか四帖半先輩があっさりと参加を承諾したため、僕は最初からヤル気満々でしたよみたいな顔で「是非やらせてください」と言った。

しゃっく先輩は、ヤル気があるようなないような、仕方がないから諦めてすべてを受け入れたような、何ともいえない顔をしていた。

企画のルールは、「5000G消化するか10万負けるまでミリゴゼウスを打て」というもの。

最初から負けることを前提として作られたようなこのルールを乗り切るためには、当然ながら高設定を掴むことが絶対条件になる。言い換えれば、高設定を掴めなければ高確率で10万負ける。

余談だけど、打ち合わせの途中に四帖半先輩が「最悪1人20万で済む仕事だよ、あはははは」と言っていた。目が死んでいた。

また、その向かいでしゃっく先輩が「絶対…絶対勝ってやる…」と静かに闘志を燃やしていた。誰かに災いが降りかからないと辻褄が合わないようなおぞましい口調だった。

やはり、神7には経験者(被害者)にしか知りえない恐怖が存在するのだろうか。怖い。すごく怖い。

でも、幸い僕の出番は3番目。きっと、先に実戦する先輩方が合わせて3万枚くらい出してくれるはずだから、仮に僕が10万負けたとしても3人の勝利は揺るがない。

なんてのん気なことを考えていたら、1戦目の実戦に向かった四帖半先輩から「吐きそうだ」というメールがきた(13時くらい)。

僕は後輩として誠心誠意「頑張ってください!」と返信したものの、その吐き気の3分の1は僕の吐き気でもあるんだな、とかなんとか考えていたら本当に気持ち悪くなってきた。

しかし、最終的には7万投資から8万勝ったうえに、GODを3回引いたとのこと。2戦目のしゃっく先輩はちょっと負けたけど、GODを1回引いてくれたし、現時点でトータル収支はプラスだし、この勝ち分を守り切ることが僕の最大にして唯一の使命だと言える。

それに、もし10万負けてトータル収支をマイナスにしてしまったら、先輩方に何をされるか分からない。

四帖半先輩には殴られるだろう。しゃっく先輩には呪いをかけられるだろう。いずれにせよ、その先にあるのは死。まだ死にたくない。頑張ろう。


――というわけで実戦当日。

先輩方の異様なプレッシャーのせいでちょっとだけ寝坊したけど、なんとか設定を入れてきそうなミリゴゼウスを確保。周りに誰もいないのが不安ではあるけど、移動する元気はないので見なかったことにした。

すると、投資5000円でいきなり謎GGに当選。ミリゴゼウスを打ったことがない人はピンとこないかもしれないけど、これは、ジャグラーで言うと朝イチ5Gでボーナスを引くようなもの。要するに、最高ってこと。

しかも、そのGGが上乗せナシで2連してくれたので、10時半にして僕はこの台が6であることを確信した。

あとは、いかにGODを引けるかの勝負。この台が6といえども、謎GGしか引けなかったらたぶん勝てない。

GODとか赤7とか上乗せとか、設定差のない部分を確率通りに引いて初めて6の恩恵を受けられるのだ。

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なんて油断してたら、その直後に1300Gハマった。

あと100Gで天井だったのに、何の前触れもなくいきなり謎GGが当たった。どうせ1のくせに。

この時点で投資は48000円。朝イチ5000円で謎GGが当たってテンションが上がっていたことが、もはや1週間くらい前の出来事のように思える。できることなら、もう1回最初からやり直したい。

しかも、昼過ぎから急に客が増えてきてミリゴゼウスが満席になったため、もう移動することができない。まぁいい。とりあえずこのGGを消化してから考えよう。

すると、そのGGが天国ループを絡めて8連し、約2000枚の出玉を獲得することに成功。大きな上乗せはなかったけど、なんとか負債のほとんどを回収することができた。

もしかすると、あの天国への上がりっぷりは6かもしれん。よし。気を取り直してもう1回最初から頑張ろう。

現時点でこの台は1と6の可能性をちょうど50%ずつ秘めているわけだから、期待設定(※こんな言葉はありません)は3.5ということになる。理論上、ミリゴゼウスは設定3から勝てる計算だから、スロッターとしてこの台を見捨てるわけにはいかない。

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なんて油断していたら、全部飲まれた。

ちょっと調子に乗っただけなのに。ちょっとハマっただけなのに。とりあえず、この台の設定が1寄りの3.5(2.7くらい)だということは分かったので速やかに移動することに。

しかし、10分くらい待っても空き台が出なかったので、移動をあきらめて推定設定2.7の台を打ち続けることにした。何やってんだろう。


――2時間後。

投資が華麗に80000円を突破。もう少し、もう少しで10万負けという名のゴールに到達す…はっ!いかんいかん。これは先輩2人とのノリ打ち企画だった。負けたら殺されるんだった。でも、もうどうすれば良いのか分からない。普通に考えたら、このまま10万負けて終わり。何の波乱もなく、このまま10万負けて終わり(人生が)。

そんなことを考えていたその時だった。

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おおお遅れた!!明らかに遅れた!!

GODボタンからのフリーズはなかったけど、演出を見る限り今は通常モード滞在が濃厚だし、GOD成立時に最も発生しやすいのは遅れだし、もはやGODが揃わない理由がない!!

もしこれでGODが揃わなかったら丸刈りにして謝罪してその姿をYouTubeにアップして世間を騒がせてやる!!(こんなことを言えてしまうくらい揃う可能性が高い)

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あれ、なんだこれ。「7」じゃない。

「2」ってなんだ「2」って。もしかしてこのまま「2」が揃うのか?ということはGODじゃなくて黄7が揃うのか?いや、そんなハズはない。GODとハズレ以外で遅れが発生することなんてほとんどない…と思う。

いや、待てよ。ミリゴゼウスではGOD揃い時に必ず「7」が揃うとは限らない。シャレオツなことに、「7」揃いの代わりにリーチ目なんかが止まったりするらしい。

「2」から始まるリーチ目と言えば…「223(富士山)」。そうか。これは「日本一の男になれよ」という神様からのメッセージだったのか。憎い。憎すぎる。

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……。

揃わなかった。そもそも、遅れてなかった。どうやら、大量の負債によるストレスと死に対する恐怖心が僕の三半規管を狂わせ、目に映る映像と耳に届く音に若干のズレを生じさせたらしい。あ、丸刈りの件は嘘です。でも謝罪はします。ごめんなさい。

ただ、ここで今一度液晶の数字に注目してもらいたい。

一見何の変哲もない「215」。お世辞にも上位モードの可能性が高いとは言えない「215」。この数字を見てピンとくる人なんて皆無だと思うけど、僕の誕生日は「2月15日」。つまりはそういうこと。そろそろ当たる(当たれ)ということ。ツラい。

しかし、そんな願望も虚しく負債は着実に膨らんでいく。いよいよ「1人だけ10万負け」という最悪のシナリオが現実味を帯びてきた。こんなことになるなら最初から断っとけば良かったんだ。こんなルールで勝とうとすること自体が無茶なんだ。

「あれは間違いなく高設定だったんで期待値を追った結果なんすよ☆」

「ちょっとヒキが噛み合わないと高設定でも負けるんですね…」

「まだトータルで見れば悲観するほどじゃないんで最終戦で一気に捲ってみせますよ!」

いやぁ…違うなぁ。どう言い訳しようかなぁ。そもそも10万負けといて言い訳もくそもないよなぁ。それにこの台高設定じゃないし。

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!!!!!

GODが…GODが揃っとる…。

確かに遅れた気はした。でもまた勘違いだろうと思って特に気にすることなく適当に止めた。

そしたら第2停止で「ドゥルドゥルドゥル♪」とか鳴ったから「あっ!」と思ったけど間に合わずに第3停止まで押してしまった。そしたらGODが揃ってた。

あまりにも突然の出来事だったので、10年振りくらいにガッツポーズが出そうになった。危ない。

とにかく、これで最悪の事態は免れた。総投資は84000円だけど、もう1回GODを引くかEGで乗せまくるか黄7を30連くらいさせればプラスだって見えてくる。まだ時間はある。諦めない。

なんて意気込んでたら、案の定何も引けなかった。ただ、GG200Gや天国ループのおかげで、一撃約3700枚の出玉を獲得することに成功。

まだちょっと負けてるけど、もうノルマゲーム数には余裕で到達してるし、これ以上打ち続ける理由はどこにもないし、何より眠いし、ここで実戦終了。

結果10000円負けたわけだけど、負債を84000円から10000円まで減らしたんだから。むしろ74000円勝ちを感謝してもらいたい。というのが率直な意見です。

しかし、他人の失敗に対して異常に厳しい先輩とお金に対する執着心が半端じゃない先輩にはこの計算が理解できないと思います。

殺されるんだろうな。殴られたり呪われたりするんだろう。想像したら、なんだかお腹が痛くなってきた。

とは言え、負けたことには変わりないし、僕は1番後輩だし、今度会ったら素直に謝ろうと思います。殴られたり呪われたりする前に。

【TOTAL DATA】
総ゲーム数…7279G
GOD揃い…1回
赤7揃い…0回
GG回数…25回
投資金額…84000円
獲得枚数…3711枚
換金額…74000円
収支…-10000円
ノリTOTAL収支…42000円
(1人あたり+14000円)
※総ゲーム数にはGG中・G-ZONE中も含む