松真の世界
〜7講義目:ヤメ時〜

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※パチスロ極Z2018年1月号に掲載されたものを転載しています


【ヤメ時】やめどき

一般的な認識

打っている台をヤメるタイミング。一般的には期待値が最も低いタイミングでヤメるのが良いとされている。


主な使用例
    

「ヤメ時ミスって9万負けた」

自分が選んだ道を最後まで信じたい

設定1であることを確信していようが、期待値がマイナスであることを理解していようが、納得いくまでなかなか席を離れない僕だから、昔から「なんでヤメないの?」と言われることがやたら多い。もちろん、僕だってパチスロライターの端くれだから、理論上はヤメるべきであることくらい分かっている。ヤメなければ高確率で後悔することになることだって分かっている。しかし、僕は決して闇雲にリスクを背負っているわけではない。僕がなかなか席を離れないのには、実はちゃんとした理由がある。

例えば、15分後にとある喫茶店で友人と待ち合わせをしているとする。喫茶店までの距離は徒歩10分。スムーズに行けば何の問題もなく辿り着ける距離だ。しかし、そんなことを考えながらAの道を歩いている時、ふと道を間違えている可能性が高いことに気付いてしまった。正しい道がAではなくBだったような気がしてきたのである。

そんな時、あなたならどうするだろうか。そのままAを突き進むか、引き返してBを進むか。

Aを進んだ場合、正解がAだったら問題なく時間通りに喫茶店に辿り着くことができる。しかし、正解がBだったらそこからさらに引き返さなければならなくなるため、最終的に15分ほど遅刻してしまうことになる。一方、引き返してBを進んだ場合、正解がAだったら再びAの道まで引き返さなければならなくなるため、最終的に30分ほど遅刻してしまうことになる。しかし、正解がBだったらタイムロスを最小限に食い止められるため、遅刻はわずか5分で済む。もちろん、ここで大事なのはAが正解である可能性よりもBが正解である可能性のほうが断然高いということ。あえて数値化するとすれば、Aが正解である可能性は約10%、Bが正解である可能性は約90%といったところだろうか。一旦整理しておくと、この状況で起こり得る事象は次の4パターンとなる。


[1]Aを進んでAが正解(遅刻ナシ)

[2]Aを進んでBが正解(15分遅刻)

[3]Bに戻ってAが正解(30分遅刻)

[4]Bに戻ってBが正解(5分遅刻)


おそらく、大半の人は[4]に期待してBに戻るだろう。しかし、僕から言わせれば5分だろうが15分だろうが30分だろうが遅刻は遅刻。 [2]〜[4]は確実に遅刻してしまうわけだから、僕は[1]に期待してそのままAを突き進む。ましてや、Bに戻って[3]のケースに陥った時の精神的ダメージは計り知れない。そういう諸々を考慮したうえで、僕はそのままAを突き進むというわけだ。

また、そこまで歩いた労力を1ミリたりとも無駄にしたくないという気持ちもある。もしBを選んで引き返してしまったら、当然ながらそこまで歩いた労力は完全に無駄になる。僕はそれが気に食わない。気に食わないから、やはりそのままAを突き進む。

要するに、僕は常にベターではなくベストを追い求めている。目の前の台が設定1だろうが、期待値がマイナスだろうが、せっかくそこまで投資したのだから勝って席を離れたい。惜敗も大敗も負けは負けだし、負けたまま席を離れるとそこまでの投資は完全に無駄になるし、少しでもプラスにならない限りヤメたくない。そういう想いから、僕はいつも同じ台にひたすらお金を入れ続けているのである。

パチスロのヤメ時は人それぞれ。心が折れた時にヤメる人もいるだろう。お金が尽きた時にヤメる人もいるだろう。僕の場合は自分がベストを尽くしたと思ったタイミングがヤメ時であり、期待値云々はさほど関係ない。

ただ、この姿勢を貫くことで貯金がどんどん減っていることも事実。このままだと本当の意味で "パチスロ" のヤメ時がきてしまうので、今はただそうならないことを祈るばかりである。



遅刻する時は大体道に迷ってます(松真ユウ)。

道(松真ユウ)



この道を行けば
 勝てるかもしれない

ひよったらダメだよ
ひよったら勝てるものも
 勝てないよ

踏み出せば
 その千円が2千円になり
 その2千円が3千円になる

迷っても行けよ
 行けば勝てるの?

松真ユウ