松真の世界
〜4講義目:ハイエナ〜

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※パチスロ極Z2017年10月号に掲載されたものを転載しています


【ハイエナ】はいえな

一般的な認識

ネコ(食肉)目ハイエナ科に属する哺乳類の総称。体長は50〜60センチで、全身が褐色の体毛に覆われている。基本的には死肉を漁るが、大型動物を襲うこともある。



主な使用例
    

「あそこにいるハイエナ、美味しそうに死肉食べるなぁ」

自覚と感謝の心を忘れてはいけない

ゾーン狙いや天井狙いは、今やパチスロで勝つために欠かせない正当な立ち回りとして世に浸透している。高設定狙いとは異なり、期待値を外見から正確に把握できることが最大の魅力であり、この立ち回りだけでコツコツと勝ち続けているスロッターも少なくはない。むしろ、この立ち回りを取り入れなければ、朝からホールへ行くことができない人は特にパチスロで勝つことが難しくなると思われる。

動物のハイエナは他の動物が食べ残した死肉を食べる──。他人が捨てた期待値を追う行為がそれに酷似していることから、ゾーン狙いや天井狙いはハイエナと呼ばれるようになった。しかし、僕はその言葉を聞くたびによく思う。他人が捨てた期待値を追うというその行為は、果たして本当に正当な立ち回りと言えるのだろうかと。

時々、パチスロをよく知らないであろうおじいちゃんやおばあちゃんが深いハマリを喰らっているその背後を「早くヤメねーかな」と言わんばかりにウロウロしている方を見かける。パチスロで勝つためには期待値を追わなければいけないのだから、その行為はある意味正しい。しかし、期待値は言い換えればお金。おじいちゃんやおばあちゃんが意図的にそれを捨てるのならまだしも、知らずにそれを捨てるのならその行為は老人からお金を騙し取る詐欺行為と一切違いはない。極論、たまたま天井目前でヤメられている台を見つけた場合も同じ。それを拾う行為は、人様が落としたお金を拾う行為となんら変わらないのだから。

では、ハイエナをすることはダメなことなのか──。もちろん、ダメではない。ゾーンという概念なんてハイエナをさせるために作られたようなものだし、ハイエナができなくなるとパチスロユーザーはさらに減るだろうし、ハイエナがこの業界にとって必要悪であることは分かる。しかし、どうせハイエナをするのなら、もう少しそれが醜い行為であるという自覚を持つべきなのではないかと思う。

例えば、ゾーン手前や天井手前でヤメられている台を探す際は「なんか旨い台落ちてないかなー」ではなく「私は人様が捨てたお金を必死に探し回るゲス野郎です」と口ずさみながらウロウロすべきだろう。また、運良くそういう台に有り付けた際は「ラッキー♪」ではなく「この台を打たれていたあなた様のおかげで私は今日も美味しいご飯を食べることができます。ありがとうございます」と感謝すべきだろう。要するに、気持ちが大事。おじいちゃんやおばあちゃんの背後で執拗にウロウロしたり、いざそういう台が空いた際に他人を押し退けて台を確保したり、露骨にお金を拾いにいくような醜い行為はヤメたほうがいい。そうすれば、こういう立ち回りがハイエナと呼ばれることはなくなるかもしれない。

ちなみに、この極Zを含むパチスロ攻略誌には、よく「300Gのゾーンが旨い!」とか「700Gハマリは狙い目!」とか、ハイエナを促進するようなフレーズが書かれている。つまり、パチスロ攻略誌は世に「人のお金を拾え!」と訴えている醜い雑誌なのである。もちろん、編集もライターもそれを自覚していないわけではなく、雑誌を売るため、生きるため、心を鬼にしてハイエナを促進している。だからこのページを読んでくれた皆様は、決して幻滅することなく今後も極Zを買い続けて欲しい。そして、極Zからハイエナをするための知識を学び、コツコツと勝ち続けて欲しい。そうして稼いだお金で再び極Zを買って頂ければ、きっと世界は上手く回るだろう。



自分でハメた台をハイエナする日々(松真ユウ)。

松真ユウ的優しい世界

人は支え合いながら生きている




上図の通り、ハイエナがいることによって今日の世界平和が保たれていると言っても過言ではない。また、そのハイエナにとって欠かせない存在である松真は、ホールにお金を落とすために今もこうして必死で原稿に勤しんでいるのだ。