遊タイムアンケート調査を受けて

先日、友人との飲み会までに1時間強の空き時間ができた。
暇つぶしがてらパチンコ屋に入り、上手く転がって飲み代が出たりしないかな…といった、当サイトの読者諸兄にはあるあるであろう行動を選択。
こんな時、あなたなら何を打ちますか? ジャグラーやアクロス系? 甘デジ?
駅前のパチンコ店を何件か見て回り、筆者が選択したのは「大工の源さん超韋駄天」だ。
当たらなくても仕方ないと思えるし、ラッキーで確変大当りを引いたとて大幅に時間を取られて友人を待たせることもない。
仮に連チャンが1時間でも伸びようものなら4万発5万発といった大量出玉になっているので、友人には先に飲んでいてもらい、あとから合流。
飲み代を自分が持てばご勘弁いただけるだろうという不測の事態へのかすかな期待もあった。
待ち合わせ時間の20分前に友人から電車に乗ったとのラインが届く。私の返信はこの画像1枚。

待ち合わせ時間5分前、駅に着いたとのラインが届く。駅に向かう旨と、追加の画像を1枚。その日の飲み代は私持ちになった。

源さんが特例であり出玉速度が他に類を見ない速さであることは分かってはいるが、出玉のリミッターもなくこんな連チャン性能を持っている機械があるのが今のパチンコだ。
出玉速度とは関係ないが、遊タイムと名付けられた天井のような機能を持つ台もある。
それに比べてパチスロは1Gあたり8枚9枚という驚異的スピードを持つ台もあるにはあるが、連チャンでの一気の出玉は2400枚までというルールがある。
コイン持ちは良いがなかなか当たらず、当たっても100枚200枚の出玉で終わることもザラ。こんな状況ではパチスロの客がパチンコに流れることは容易に想像できる。
別にパチンコとパチスロの不公平を訴えたいわけではない。パチンコの規則が緩くなるとパチスロが厳しくなるし、逆もまた然り。こういうバランスをずっとこの業界は保ってきていて、今はパチンコのターンというだけだ。
なぜこのような話をしたかと言うと、以前「パチンコホールにおけるコロナ対策調査」というタイトルでコラムを書いた。
その時に情報を提供をしてくださったシーズリサーチさんと、今回共同でアンケートを行い、その結果が興味深いものとなったから。
先日、当サイトの上部にリンクバナーがあったかと思う。それが件のアンケートだ。

パチンコ業界に特化したマーケティングリサーチ
「Sees Research(シーズリサーチ)」
URL:https://sees-research.com/
様々な質問があったが、筆者が気になった項目はこちら。
「パチスロの旧基準機が撤去された後、どうしますか」
この質問に対する選択肢は以下の通り。複数回答可。
1.ノーマルタイプ
2.5号機AT機
3.5号機ART機
4.6号機AT・ART機
5.パチンコ
6.やめる
今までの流れからお分かりいただけるかと思うが、「5.パチンコ」をどのくらいの人が選択したのかというのが気になった点だ。回答数値はこちら。
40.7%
実に半数近くの人が「パチスロの旧基準機が撤去されたらパチンコを打つ」という選択をしたのだ。
複数回答可なので、「ノーマルタイプかパチンコだな」というような人も大勢いるだろうが、とにもかくにも「パチンコを打つ」という選択をした人が40%を超えるのはけっこうなことだなと。
今のパチンコにはこれまでにない魅力的な要素がある。先述の源さんの出玉速度は特殊すぎるので置いておくとして、多くのユーザーを引きつけているのは間違いなく天井(遊タイム)の存在だろう。
天井発動で時短に突入。時短中は右打ち・電チューでの回転となるので、時短中に当たればラウンド振り分けが良かったりSTに必ず突入したり…と、特典が山盛りだ。

シーズリサーチさんでのアンケートにさらに遊タイムに関するものがあった。
「遊タイム機で遊んだ理由は?(複数回答可)」
回答をランキング形式で発表していこう。
1位:規定回数で遊タイムに突入する安心感…42.3%
2位:遊タイム突入付近の台を狙える…37.2%
3位:遊タイム発動での大当りに期待が持てる…35.9%
以下、
大きなハマリを回避できる…30.8%
たまたま台が空いていた…19.2%
投資に対する出玉の期待値が高い…17.3%
と続く。
どう思いますか?
パチスロっぽい回答とパチンコっぽい回答が混在してるなと思うのは私だけだろうか。今のパチンコはパチスロの天井狙い・ハイエナと呼ばれるような打ち方ができる。
パチンコのユーザーはパチスロに比べて年齢が高めで知識も薄い傾向にあるので、遊タイムがついている機種かそうでない機種なのかも曖昧だったりする。知らずに天井間近でヤメてしまう人もいるかもしれない。
一方のパチスロユーザーは知識レベルも高く、心身ともに若い人間が多い。中には周りの迷惑を顧みずに通路で露骨に張り付きなどをする輩も。
そういった一部のパチスロユーザーがパチンコを打っている人たちに嫌な思いをさせる画は想像に難くない。
オジさんがヤメた台を若者が即確保→しばらくしたら遊タイム突入→オジさんは何が起こったのかわからず困惑…なんてケースはあちこちで起こっていそうだなと。
実際、地元のホールで仮面ライダー轟音に張り付いている人がいて、邪魔だなと思ったことがある。張り付き行為をそのホールのパチンコフロアで見たのはそれが初めてだ。
そりゃあそうだ。今まではそういう風に狙えるパチンコなどなかったのだから。新台を打ちたかったのでは? という意見もあるかもしれないが、轟音に空き台があったので新台の空き待ちではないだろう。
遊タイムまで残り300G弱の台があったので、それを打っている人がヤメるのを期待して待っていたのだろう。
しばらくして、その台を打っていた人が席を立った。張り付きマンが近づく。台には「食事休憩」の札。16時に食事休憩の札。
昔、主役は銭形の1000ハマリ台にタバコを置いてずっと帰ってこなかったオジさんを思い出したよ。誰も幸せにならない台放置。まぁ轟音の人は帰ってきて続きを打っていたけども。
そんな殺伐とした駆け引きのようなものがパチンコのシマで繰り広げられているのを見て、時代は変わっていくんだなと感じた。
たしかに青天井で抽選をするパチンコは、その仕様上、開店から閉店まで当たらない恐れもある。ただ、いつでもヤメられるという安心感も同時に存在するのだ。
遊タイムがついているがゆえにヤメられない、張り付き連中にカマを掘られるのが嫌で打ち続け、想定外の負け額になってしまった…なんてケースもあるだろう。
もちろん熱くなって追っかけた結果、遊タイムに救われたということも考えられる。筆者もパチンコを追っかけている最中に「天井があったらいいのに」と思ったことが何度もある。でも、だ。
あくまでもこれは個人的な意見になるが、遊タイムにはあまり賛成ではない。客層が違うからだ。
もちろんパチ・スロの両方を打つ人はいるが、大多数はどちらかがメインというユーザーだと思う。
遊タイムの登場によりパチ・スロのユーザー棲み分けができなくなると、ホールが最も大事にしたいライトに楽しんでいるパチンコファンを減らしてしまうのではないかと危惧している。
イメージとしては平和な村にラオウ軍が来た、みたいな。何もしないと言われても恐ろしくて仕方ないみたいな。ちょっと言い過ぎかもしれないが、そんな状況になっていると思う。
これを解消する方法は2つしかない。
1つは遊タイムの仕様をもっと複雑にして狙いづらくしてしまったり、そもそも遊タイムを搭載しないこと。
パチスロの情報強者が天井狙いでパチンコをのシマをウロウロする価値がないと思わせてしまえばいいのだ。
もう1つはパチンコを打つ人が誰しも遊タイムの存在を知っているようにすること。
全部の新台に同機能がついていて、全ユーザーが「もう少しで遊タイムだ」とか、「これ以上打ったら遊タイムまで打たないといけなくなる」といった認識を持つようになれば、今までより納得して台を離れたり追ったりできる。
ま、どちらも不可能なことは分かったうえで書いてはいるのだが。
ここで駄文を垂れ流したところで開発の方々の目に止まることもないだろうし、何かが変わることもないというのは重々承知しているが、先のようなアンケート結果を目にしたら少しキーボードを叩きたくなった次第だ。
今後どういうパチンコ機種が登場するかは分からないが、新機能にばかり目を奪われて既存のユーザーをないがしろにするような仕様の台が次々と出てくる…なんてことのないよう願うばかりである。
text by 副審
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