マコト×パチスロ 交響詩篇エウレカセブン2
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エウレカ2が全国のホールに導入されたのは2013年10月。時代は1Gあたりの純増枚数2.8枚のAT機全盛期。

世に出る台の大半が左リール第1停止厳守を課されたAT機で、リーチ目マシンを好んで打っていた俺としては、パチスロが最も面白くない時代でもあった。

毎ゲーム、ただただ押し順ナビに従ってリールを止めるゲーム性に疑問を抱いていたし、出目でアツくなりたいという欲求をうまいこと消化できない状況にイラだってもいた。

それに加えて、AT機は設定看破が難しかった。難しいというのは語弊があるかもしれないけれど、AT機は初当たり確率に設定差があるのが大半で、低設定を打ってしまうとハマるのが基本。ちょっと触ってみて設定の良し悪しを推測しよう…そんな軽い気持ちで打ちだしたら最後。

ハマリにハマって天井に到達するのがオチだ。もちろん、全てがそうだったワケじゃない。でも、そんな機種が多すぎた。それでいて、低設定でも誤爆するから高設定の絶対数が少ない。設定看破というパチスロならではの楽しみを奪われたような感覚に陥った。

AT機は、総じて悪印象。そんな折に登場したのがエウレカ2だった。


[1]この台を初めて打った時の印象


AT機全般に嫌悪感にも似た感情を抱いていたから、初めて筐体を見た時の印象は決して良くなかった。下パネルの右横に搭載されていたウーハーがただの飾りだと知ってガッカリしたし、白7or赤7を揃える際にリールが5コマ以上スベる、擬似遊技であることにも落胆した。

擬似ボーナスとはいえ、7ぐらい自力で揃えさせてほしい。そんな風に思っていた。ただ、システムに関しては惹かれる要素がありもした。

AT中の上乗せゲーム数が擬似ボーナスの期待度に直結する「ボーナスリンクシステム」。50Gの上乗せに成功すれば、50%で擬似ボーナスの抽選が行われる。大量上乗せがボーナスの呼び水になるという斬新なゲーム性には正直そそられた。

AT機の仕様は好みじゃないけど、上乗せは好きだ。むしろそれを好まない打ち手はいないと思うけれど、それが大きければ大きいほどアツい展開を生み出すシステムに惹かれた。そして、エウレカ2を語るうえで外せないのが上乗せ特化ゾーン「エアリアルラッシュ」だ。

ボーナスリンクシステムの仕様上、レア役による大量上乗せは稀。3桁上乗せ=ボーナス確定なワケだから、簡単に大きな上乗せはモノにできない。でも、それを良い意味で覆してくれるのがエアリアルラッシュだった。

エアリアルラッシュは7G継続し、消化中はリプレイ以外が成立すれば上乗せが確定。上乗せが連続するほど上乗せゲーム数が大きくなる。そして、7G連続で上乗せした場合は必ず100G以上の上乗せが確約される。

AT機を嫌っていたけれど、ここでヤレた時ばかりはATという仕様に、高確率で成立する押し順ベルに感謝したもの。押し順ナビ発生時は液晶でアクションがあれば押し順ベル確定。押し順ナビなし時はレア役確定につき、ちょっと大きめな上乗せに期待できる。まさに夢の詰まった7Gだ。

その反面、1G目にリプレイを引いちゃうとげんなりしたし、最終ゲームで成立しちゃうリプレイに立腹することもあったけど。感情を激しく揺さぶる上乗せ特化ゾーンの仕様には惚れ惚れした記憶がある。


[2]この機種の一番好きなトコロ


エウレカ2の最も好きなポイントは、実用的な設定看破要素が豊富なところだ。

冒頭でも触れた通り、当時のAT機は設定を意識させてくれるところが少なかった。けれど、エウレカ2は…


弱チェリー・弱スイカ確率
初当たり当選時のAT振り分け率
モンスーノバトル0〜2pt獲得時のAT当選率


など、随所に設定差が設けられていたうえに、どれも実用性が高かった。そして、比較的サンプルを採りやすい要素に差があったのも、設定看破欲を加速させた。

設定を推測するというパチスロならではのゲーム性、そして楽しみをAT機でも感じさせてくれたのがエウレカ2だった。まぁ、その大半は低設定であることを確認するだけの作業だったのは至極残念だけど。でも、特定日の朝イチから設定を意識してエウレカ2を打つというのが楽しかったのは間違いない。


[3]印象に残っている最高の出来事


パチスロ必勝本のDVDに「ふらっとFLAT」という、こーじさんと割とガチで勝ちに行く動画があるのだけど、その企画がまだDVD化される前、WEBで配信されていた頃に誤爆した経験がある。

当時は夕方からふらっと打ちに行きます的なスタンスの企画だったのだけど、なんとなくエウレカ2に座ったところTHE ENDモードがループしまくって一撃で6000枚オーバー。

その経緯はよく覚えていないけど、とにかくエアリアルラッシュとボーナスがループした。なんだったらボーナス非当選でモード転落が危惧される状況でも、THE ENDモードから落ちない落ちない。

エアリアルラッシュが終わったと思いきや、すぐまたエアリアルラッシュに当選するという上位モードの強みを生かしまくっていっぱい上乗せした結果、ATが閉店まで続いた。

担当ライターだったから、その後も人一倍エウレカ2を打ったけれど、この時の獲得枚数を超えられず。まぁ、エウレカ2はAT機のなかでは比較的マイルドな出方をする機種だから、一撃6000枚オーバーでも満足はしているのだけど、ノリ打ちの時に限ってこんなに出なくても…と思ったのはここだけの話ね。


[4]印象に残っている最悪の出来事


エウレカ2が導入されて間もなく6年という月日が経とうとしているのに、印象に残りまくっている最悪の出来事は、つい数ヶ月前のとある実戦で起こった。いや、起こるべくして起こった感はある。

その実戦は所謂お別れ企画で、あと数ヶ月で設置期限を迎える機種を各ライターが打って、思い出たっぷりのコラムを書いてほしいと依頼された。担当ライターだったということもあって二つ返事で了承したのだけど、正直困った。

なぜならば、エウレカ2の設定状況が良いホールを一切知らなかったから。そもそも、撤去が目前に迫った名機達は2種類に分類される。


[1]設置台数が多く、設定状況も悪くないホールの看板機種(バジ絆、初代まどか☆マギカなど)
[2]コアなファンに愛されていて、バラエティーコーナーにひっそり設置されている機種(上記以外のその他大勢)


ほぼ確実に[2]に分類されるエウレカ2の設定状況が良いホールなんて知らないし、なんだったらそんな優良店がこの世にあるかどうかさえ疑問だ。

でも、仕事を受けた以上、実戦は必須。実戦をするなら見ごたえのあるデータを誌面に載せたい。だからなるべく高設定を打ちたい。

そんな葛藤のなか、エウレカ2を2台設置していて、特定日に高設定が使われなくもないホールで実戦したところ、さらっと10万負けた。見せ場など皆無。そりゃそうだろう。夕方までに10万円も投資したのだから。ずっとお金を使っていたんだから、出玉的な見せ場なんてあるハズもない。

でも、実戦の後半で思ってはいたんだよね。ああ、エウレカ2の低設定ってこんなんだったなって。レア役解除しないし、当たっても100枚ポッキリの擬似ボーナスだし、ATは遠いし。そりゃ勝てないわって。

そしてこうも思った。もう名機とのお別れ企画は受けないでおこうと。最後に名機を嫌いになる必要はないんだから。


皆さんも撤去が目前に迫った機種との接し方には注意して下さいね。
アツいぜ
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